東京地下鉄は、「東西線ソーラー発電所」計画を明らかにした。東西線の地上駅8駅に太陽光発電システムを導入するもので、合計最大出力は約1メガワット、年間発電電力量は約100万kW時となる。これは南砂町駅~西船橋駅間で消費される付帯用電力の11%に相当し、CO2排出量を年間463t(クスノキ約2500本分)削減できるという。
同線ではこれまでに南行徳駅と妙典駅に太陽光発電システムを導入済み。26日には3番目の導入駅となる浦安駅での運用を開始、2013年度内には残る5駅にも設置する予定だ。全体の導入費用は約14億円を見込んでいる。
浦安駅での最大発電電力量は98kW。年間発電電力量は約9万8000kW時を見込んでおり、CO2を約45t(クスノキ約250本分)削減する。パネル設置工事は大成建設が担当した。同駅ではこのほか膜屋根や壁面緑化、LED(発光ダイオード)照明の導入を進めており、環境配慮型のモデル駅とする予定だ。
同社では08年9月に千代田線北綾瀬駅(20kW)、12年3月に東西線南行徳駅(40kW)、同9月に同妙典駅(253kW)に太陽光発電システムを導入した。東西線では今後、浦安駅に続いて行徳(110kW)、葛西(93kW)、西葛西(98kW)、原木中山(150kW)、西船橋(159kW)の各駅に順次導入していく。
大規模な発電所の建設が難しい都市部において、地下鉄の事業者が地上施設を最大限に活用し、再生可能エネルギーによる環境負荷の低減に取り組んでいるのが特徴だ。
発電した電力は、駅のエスカレーター・エレベーター、照明、空調などに使用する。発電量が多い場合は隣接駅に融通して利用することもできる。
他路線での展開のめどは立っていないが、相互利用駅などについては関係企業との話し合いを持ちたいとしている。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年3月25日
0 コメント :
コメントを投稿