2013/03/05

【コンペ】最優秀に「繋がる住環境」 コンクリ・木のコラボ住まいと住環境設計

日本建築学会近畿支部とグリーンコンクリート研究センターは、提案競技「コンクリートと木のコラボレーションによる持続可能な住まいと地域住環境の設計」の最優秀作品に、矢田朝士氏(ATELIER-ASH)の『繋がる住環境』を選んだ。最優秀を含む各受賞作品は、2日に大阪市東淀川区の協同会館アソシエで開いた公開審査で決定した。
 遠藤剛生神戸芸術工科大特別教授や竹原義二無有建築工房代表、吉村篤一建築環境研究所代表取締役が特別審査員を務めた。
 最優秀作品に対し竹原氏は「建設地に面する川や対岸にも配慮された、この場所にふさわしい魅力的な計画だ」と評価。吉村氏も「個室の中にテラスを設け、外と中をつなぐなど、よく考えられている」と述べた。遠藤教授は「都市と個人をよくつないでいる」と評価しつつ「家族の温かみを個人対個人の空間にも持ち込んでほしい」とも注文した。
 これを受け、矢田氏は「受賞はうれしいが、それ以上に至らない点がたくさんあることに気付いた。これから建築と人、建築と地域の関わりやスケール感、表現の仕方などをもっと掘り下げて、いいものをつくっていきたい」と語った。
 この提案競技では、コンクリートと木の相互の特性を生かしたサービス付き高齢者向け賃貸集合住宅の設計案を募った。最優秀作品は大阪市西区での実際の計画に採用されるということもあり、一般と学生合わせて57点の応募があった。
 最優秀以外の受賞者と作品名は次のとおり(敬称略)
 〈優秀賞〉
 ▽地域に寄り添い、可変する建築=遠藤克彦、柳沢理志、陣内亮、木村史聴、外崎晃洋(遠藤克彦建築研究所)▽コンクリートと木がつくる暮らしの庭=田上拓(taku tagami design)▽棚田に根付く小屋の暮らし=横田健司、横田雅子(横田健司建築設計事務所)。
 〈材料・施工部会賞〉
 ▽木塊の家=金井田雄介、尾口晴基、中尾寿利(日建設計)。
 〈環境・工学部会賞〉
 ▽洞窟と木立-意識的手法による持続可能な建築デザイン=吉田泰洋、吉田真紀子(m+y design)▽新安治川物語 水辺の巣箱が織り成す新たな架け橋=松富謙一、横手研治(CASEまちづくり研究所一級建築士事務所)、鶴田太郎(TSURUTA ARCHITECTS)、宮崎豊(フリー)。
 〈住宅部会賞〉
 ▽Table House=増田憲司、出屋敷嘉亮(名古屋工大大学院)▽新安治川物語 水辺の巣箱が織り成す新たな架け橋=受賞者前掲。
 〈木造部会賞〉
 ▽TORIPLE SHAPE HOME=大薮義章(大薮義章建築計画所)、片岡槙策(片岡建築構造設計事務所)、荒木啓太(unit plus)、若林秀典(若林秀典建築設計事務所)▽ふたつの距離感=橋本不二男、中村篤史、西丸亮太(高松建設)。
 〈学生特別賞〉
 ▽「英雄達」の終末=阪口裕也、湯淺純(大工大大学院)。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年3月5日

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