2013/03/05

【五輪】東京都が施設整備の検討本格化 20年五輪招致実現へ

TOKYO2020
東京都は、2020年夏季五輪の東京開催に向けて、新たに整備する選手村や競技会場の開発計画の検討に着手する。IOC(国際オリンピック委員会)評価委員会による視察が行われるなど、立候補都市における招致活動が正念場を迎える中、舞台裏では施設整備の具体化に向けた検討が、ついに本格的なスタートを切った。開催都市が決定するのは9月7日。都は事前に開発の基本計画を策定することで、招致決定後のスムーズな施設整備につなげていく。大規模競技施設の整備では設計段階で国際コンペの採用も視野に入れている。



プレゼンする猪瀬知事 TOKYO2020
◇調査業務3件公告 3月7日まで申請受付

 都スポーツ振興局は4日、「選手村開発方針検討支援業務委託」「夢の島公園地区における競技会場整備に向けた施設要件等検討業務委託」「辰巳の森海浜公園地区他における競技会場整備に向けた施設要件等検討業務委託」の3件の調査業務を公告した。
 参加資格は建築設計に登録があることなど。7日まで希望申請を受け付け、都設計等委託指名競争入札参加者指名基準により、指名業者を選定する。21日に見積もり合わせする。
 履行期間は選手村が9月24日まで、夢の島公園地区と辰巳の森海浜公園地区が9月30日までとなっている。

◇選手村の民間整備へ公募条件を整理

 「東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会」(会長・猪瀬直樹東京都知事)が1月に公表した立候補ファイルによると、晴海地区に整備する選手村には総額1057億円を投入する。民間事業者による整備を前提に開発計画の具体化に向けた検討に入る。
 業務では、近年のPPPまたはPFI事業などを参考に民活による事業手法や採算性の検証を行うなど、選手村として活用した後の利活用を踏まえ、事業手法や事業スキームの検討を進める。また、事業手法やスケジュールをまとめた上で、発注スキームや全体のコーディネートの仕組みを含めた民間事業者の公募条件を整理する。

◇夢の島、辰巳の森公園は設計段階で国際コンペ

 一方、夢の島公園地区には、バドミントンやバスケットボールの会場となる夢の島ユース・プラザ・アリーナを整備する計画だ。事業費は364億円を見込む。
 また、辰巳の森海浜公園地区では、321億円の事業費を見込むオリンピックアクアティクスセンターや、事業費176億円の有明アリーナといった大規模施設の新規整備が計画されている。
 ともに設計与条件や高水準で計画される環境対策などの整理を行うとともに、設計段階における国際コンペを見据えた事前準備を進めていく。
 業務では、大会終了後の将来の利活用方策を想定しながら、設計与条件をまとめる。また、民活による事業スキームの比較検討を行うなど、管理費用の縮減に努めている先進事例を調査。稼働率の向上や新規事業の提案を含めた多角的な視点で事業可能性を検証していく。
 事業スケジュールや概算工事費を算定する一方、立候補ファイルに示したグリーンビルディング認証制度「CASBEE」の最高Sランク取得に向けた、具体的な環境対策の提案も求める。
 東京開催では、メーンスタジアムとして改築する国立霞ヶ丘競技場を筆頭に、競技会場となる37会場(既存15、計画2、新規9、仮設11)の建設工事費に総額4554億円を投入する。晴海地区に整備する選手村を中心に競技会場をコンパクトに集約。理念とする“選手第一主義"の開催を目指す。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年3月5日

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