2013/03/11

【実録】熊谷組社長の交代 会見要旨を一挙掲載!

会見で握手する大田社長(左)と樋口次期社長

6月下旬に熊谷組の代表取締役会長に就任する大田弘社長兼執行役員社長と、社長兼執行役員社長に就く樋口靖専務執行役員が、7日に東京・霞が関の国土交通省内で開いた記者会見の要旨は次のとおりだ。

--今回の人事について 大田社長 「喫緊の課題である収益力の回復に向けて、経営体制の一層の強化・充実を図る。労務費や資機材の上昇は予測していたものの見通しが甘かった。主に首都圏の建築でコストが上昇した。収益回復には建築部門の利益管理体制が急務であり、スピード感を持って確実に再浮上するために新体制を決めた」
--樋口専務について 大田社長 「最前線の経験が豊富。かつて経営危機にあった時に、住宅部門でコストマネジメント能力を発揮した。東北支店長時代には大震災で被災した仙台空港を、1カ月後には離着陸できるよう復旧させた。現場、営業の最前線の社員の思い、痛み・苦しみも理解している。人望や信頼も厚く、社員のモチベーションを高め、全員が一体感を持って進んでいくためのニューリーダーにふさわしい」
--社長就任について 樋口専務 「『誠実な熊谷組』というブランドに磨きをかけ、難局であればあるほど全力を尽くし、あきらめないという社風を大切にして、二人三脚でこの難局を乗り切る。『全員参加の経営』をスローガンに掲げ、社員が業績に関する共通認識を持ちながら業務を進めるようにしたい。現場と支店、支店と本社の互いのコミュニケーションをしっかりとってベクトルを合わせていくのが任務だと思う」
--人事を決めた時期 大田社長 「1月に要請した。わたしは1年間に約150の現場を歩く。熊谷組の経営はすべて現場に集約されている。本社組織から見た最前線ではなく、最前線から見た経営ということが非常に重要」
--打診を受けた際 樋口専務 「正直、驚いた。熊谷組は土木のイメージが強く、『建築出身のわたしでいいのか』と率直に思った。乱気流の中で失速したのは、建築に未熟さがあったためだ。これまでの経験を生かして収益力を回復させる。土木だけでなく、『建築の熊谷』と言われるよう、また乱気流でも落ちない確かな体制をつくりたい」
--新たな中期経営計画 大田社長 「中期経営計画も踏まえて決断した。新しい血、新しい考えを注入する必要がある。まず、建築の足元の確認作業を進めようということで、樋口専務にも参加してもらっている。わたしは主として営業活動、対外活動に力を入れることで、新社長をしっかりサポートしていく」
 樋口専務 「収益を出せる仕事のやり方、ビジネスモデルを打ちだしていきたい」
--収益回復の具体策 樋口専務 「労務比率の高い工種については、施工のシステム化を進めることで単価を下げる。材料は市場がからむものの、購買グループが市場を先読みして早く押さえるしかない」
--国土強靱化への対応 樋口専務 「われわれの仕事量は常に一定量で安定しているわけでなく、山があり谷もある。仕事が増えていく中で、山をどう崩すかが課題だ。そのためにも施工のシステム化などを検討したい」
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年3月11日

0 コメント :

コメントを投稿