16日から相互直通運転が始まった東急東横線と東京メトロ副都心線。前日まで地上を走っていた東横線が、一夜にして地下化された。この一大工事のメーン作業を手掛けたのが東急建設だ。現場周辺は道路や住宅などが近接し、仮設線路を敷設する用地が確保できない。そこで同社は、営業線の直下に線路を切り替える「STRUM(ストラム)工法」を駆使し、限られた時間内での緊迫の工事を無事完遂した。
相互直通運転に伴う東横線渋谷駅から代官山駅間の地下化事業で、東急建設が担当した第3工区は、線路切り替えのハイライト部分となる地下化への取付け口区間。
15日終電から16日初電の間に行われた工事では、工事桁化した既存線路を、仮設した門構とセンターホールジャッキで扛上(こうじょう)した。これを工事桁で仮受けし、既存線路の真下に敷設した新たな軌道へ切り替えた。クレーンを設置できるエリアでは、列車運行時に支障となる工事桁を一斉に撤去した。
また、ホーム部では、既存線路をジャッキで降下して新設軌道につなげたほか、仮設ホームを撤去して新設ホームへの切り替えも行った。
当夜作業では、既存線路の扛上、降下、撤去などの異なる工事が輻輳(ふくそう)したが、同工法による土木工事は順調に進み、予定どおりの時間内で完了した。
東急建設は今回の工事に、協力会社を含めて約700人を動員。発注者の東京急行電鉄や保線軌道工、電気工なども合わせ、1200人もの関係者が工事に従事した。
地下化切替工事は、着工から約8年間の集大成となったが、第3工区の工事は今後も続く。扛上区間に残っている工事桁の撤去などを順次実施、2015年3月までに全工程を終える見通しだ。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年3月19日
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