2014/08/28

【建築】日本最初のRC造オフィスビル・旧三井物産横浜ビル保存でJIA関東が要望書

日本建築家協会(JIA)の関東甲信越支部は、横浜市中区本町にある「KN日本大通りビル(旧三井物産横浜ビル・倉庫)」の保存活用を求める要望書を、ビル所有者のケン・コーポレーションや横浜市長などに提出した。旧三井物産横浜ビル・倉庫を「横浜の近代化遺産の中にあって最も重要な建物の1つ」とした上で、倉庫の取り壊しが計画されていることに対し現物保存・利活用を求めている。

 建物は、遠藤於菟の設計で、事務所棟は日本最初のRC造のオフィスビル(1911年竣工)。その前年に竣工した倉庫棟部分は煉瓦造、RC造、木造の混構造で、わが国におけるRC造の成立過程を示す貴重な建築群として位置付けられている。また、富岡製糸場と同根の歴史的背景を持つ「第一級の近代化遺産」であり、都市景観上も、国の景観大賞に選ばれた日本大通りの核の1つとなっている。
 要望書は、上浪寛支部長、安達文彦同支部保存問題委員長、飯田善彦同支部神奈川地域会代表の連名で提出。ケン・コーポレーションには現物保存・利活用を要望し、横浜市長、横浜市教育委員長、教育長には、緊急要望書として、「所有者が解体を今すぐ保留し、その保存活用に向けて横浜市や建築関係団体等との協議を経るよう」指導を要請した。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

Related Posts:

  • 【ダム愛写真展】入賞作品を日吉ダムで展示 内部も見学できる! 日吉ダム 日本ダム協会は第11回写真コンテストの入賞作品展示会を20日から8月31日まで、京都府南丹市の日吉ダムインフォギャラリーで開催する。表彰式を含むオープニングイベントを20日午後1時から道の駅スプリングひよしで開く。 コンテストには219点の応募があり、2月に選考が行われた。 展示ギャラリーは堤体内にあり、入場は無料。水曜日が休館で午前10時から午後4時まで開館する。開館中はダム内部も自由に見学できる。 オープニングイベントが開か… Read More
  • 【なでしこ倍増へ】ますます求められる女性技能者、支援策促す 日建連 専門部会女性委員と女性オブザーバーによるワーキング 日本建設業連合会(中村満義会長)は20日、「女性技能労働者活用方策」を決定した上で、女性技能労働者数を「5年以内に倍増を目指す」とするアクションプランを作成した。会員会社に対し、女性を主体とした「なでしこ工事チーム」の設置や、女性現場監督の拡充、協力会社に対する女性技能労働者を雇用・育成するための支援などを求める。 「女性技能者活用方策」は、「女性技能労働者活用専門部会」(座長・能登谷英… Read More
  • 【建設コンサル】女性技術者を増やせ! 働ける職場への改革 女性の会のメンバー(左から宮下さん、山口さん、北浦さん) 建設コンサルタントなど建設関連業界で、女性技術者を積極的に活用する動きが活発化している。インフラの維持管理や老朽化対策、国土強靱化などで需要が急増していることに加え、少子化で男性にばかりこだわっていると、優秀な人材を確保できないことが背景にある。企業だけでなく団体でも、女性技術者が働き続けることができる環境づくりに取り組み始めた。  建設産業の中でも土木は、“男の職場”というイメ… Read More
  • 【逓信ビル】価値ある建物を未来に伝えたい 検討委員会設置を要望 千代田区大手町の逓信総合博物館(photo:Rs1421) 日本建築家協会(JIA)の関東甲信越支部は、4月に解体工事の着手が予定されている「逓信ビル」の価値を未来に伝える方法を探るための検討委員会を設置するよう、牧貞夫NTT都市開発社長、上西郁夫都市再生機構理事長に要望書を提出した。郵政建築・公共建築の一時代を築いた小坂秀雄の代表作の1つであり、また、その歴史的・文化的・都市景観的価値や経済資産的価値は非常に貴重なものであるとし、関係組… Read More
  • 【ミズベリング】「使い倒そう!」水辺とまちの未来創造に各界からメッセージ 国土交通省が設置した「水辺とまちのソーシャルデザイン懇談会」(座長・陣内秀信法政大教授)は、日本の水辺とまちの未来創造に向けたメッセージ集を作成した。これまでの議論の中で出てきたフレーズなどを集約したもので、「水辺を使い倒して、楽しみ倒そう」など、一般市民にも広く呼び掛ける内容となっている。 『ここから水辺の未来が動き出す』と銘打ったメッセージ集は、水辺の魅力に気付き、多様な主体が未来を志向する際のヒントにしてもらおうと、クリエーターや金融… Read More

1 件のコメント :

  1. 日本は、もう少し建築物、及び当該建築にまつわる歴史に敬意を持ったほうがいい。

    返信削除