LIXILのタンクレストイレ「SATIS」が、2001年の販売開始からことし5月末までで、累計出荷台数100万台を突破した。「世界最小・満足最大」「トイレを応接間にする」をコンセプトに発売した当初から、奥行650mmのサイズを維持しながら、機能とデザインを進化させてきた。下支えするのは、焼物とハイテクを融合させた日本の技術だ。写真はタンクレスの内部構造。
トイレの鉢が陶器であることは知っていても、窯で焼くところまで見たという人は多くないだろう。SATISは、旧INAX創業の地・愛知県常滑市の榎戸工場でつくられている。全世界から厳選して集められた鉱物原料を粉砕、成形、接合し、約2日間乾燥。釉(うわぐすり)を吹き付けた上で、約100mの「トンネル窯」で約1日かけて焼き上げる。
「SATISは空洞部分が大きく、難易度が高い製品。当初は生産効率を上げるのに苦労したが、おかげで技術力が数段上がった」と話すのは堀雅博工場長。例えば複雑な形状を均一に素早く乾燥させる技術が求められる。衛生陶器は生素地段階の大きさに比べ、乾燥で3%、焼成で10%、計13%も収縮するからだ。特に「原材料の調合割合が最も生産性を分ける」という。さらにロボットによる接合や施釉、有資格者による全数検査などで品質確保を図っている。
SATISの開発プロジェクトがスタートしたのは1998年12月。「トイレ空間に新たな文化を創造したかった。それまでは洗浄方式や節水機能などがトイレの価値を決めていたが、単品ではなく空間として魅せようと考えた」とは、同社執行役員トイレ・洗面商品部の浅野靖司部長。
「日本のトイレは狭いが、奥行き700mm以下ならば手洗いを別途設置できる。小ささを追求し、全面的に設計を見直し650mmまでたどりついた」。シャワートイレなどのハイテク部分と陶器の隙間を掃除しやすい『お掃除リフトアップ』機能も当初から搭載。「ユーザーの抱えている問題を高い次元で解決した」として01年グッドデザイン賞金賞を受賞。以来、進化を続けて現在では4代目に至る。
フォルムを洗練していくだけではなく、節水技術も発展。ハイテク部分ではブースターで蓄圧した水で鉢内を強力に洗浄、鉢部分でも溜水面の広さを確保した最新設計により、わずか4リットルの水で洗浄できる「ECO4」を達成。焼物とハイテクの融合の結果だ。
今後も「トイレが“陽の当たる場所”にあり続け、ユーザーに満足いただけるよう、熱い気持ちで進化させ続けたい」(浅野部長)と意欲を燃やす。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)
トイレの鉢が陶器であることは知っていても、窯で焼くところまで見たという人は多くないだろう。SATISは、旧INAX創業の地・愛知県常滑市の榎戸工場でつくられている。全世界から厳選して集められた鉱物原料を粉砕、成形、接合し、約2日間乾燥。釉(うわぐすり)を吹き付けた上で、約100mの「トンネル窯」で約1日かけて焼き上げる。
約100メートルのトンネル窯で23時間焼成 |
整形した生素地をロボットで接合 |
「日本のトイレは狭いが、奥行き700mm以下ならば手洗いを別途設置できる。小ささを追求し、全面的に設計を見直し650mmまでたどりついた」。シャワートイレなどのハイテク部分と陶器の隙間を掃除しやすい『お掃除リフトアップ』機能も当初から搭載。「ユーザーの抱えている問題を高い次元で解決した」として01年グッドデザイン賞金賞を受賞。以来、進化を続けて現在では4代目に至る。
フォルムを洗練していくだけではなく、節水技術も発展。ハイテク部分ではブースターで蓄圧した水で鉢内を強力に洗浄、鉢部分でも溜水面の広さを確保した最新設計により、わずか4リットルの水で洗浄できる「ECO4」を達成。焼物とハイテクの融合の結果だ。
今後も「トイレが“陽の当たる場所”にあり続け、ユーザーに満足いただけるよう、熱い気持ちで進化させ続けたい」(浅野部長)と意欲を燃やす。
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