2014/08/25

【夏休み特集】来年のご参考に…小学生が参加した建築・建設・土木のイベント記事ご紹介!【8】

■免震体験、液状化実験に興奮/紀尾井町計画現場で仕事体験/西武プロパティーズ「こども応援プロジェクト」

 西武ホールディングス(HD)子会社の西武プロパティーズは21日、東京都千代田区のグランドプリンスホテル赤坂跡地を再開発する「(仮称)紀尾井町計画」の建設現場に、地元を中心とした小学生とその保護者を招いて「工事のお仕事体験」を開いた。子どもの好奇心を育み、健やかな成長を支援する西武グループの「こども応援プロジェクト」の一環として実施したもので、24人が参加した。

 始めに西武プロパティーズの後藤明彦取締役都市開発部長は「都心の大きな工事現場で何をしているのか、実際に作業を体験し、難しい言葉や分からないことは積極的に質問してほしい」と呼び掛けた。
 工事概要などの説明後、住宅棟の施工を担当する西武建設・大林組・前田建設JVの今村達也副所長らの説明と指導を受けながら、クローラクレーンの誘導作業を体験したほか、免震構造などの仕組みを学び、免震体験車では阪神・淡路大震災を想定した揺れ方を体感した。
 また、オフィス・ホテル棟を施工する鹿島・鉄建・熊谷組JVの担当者から地震時に起きる液状化現象について実験を交えながら学んだ。
 このほか、大成建設が担当する都指定有形文化財・旧李王家東京邸(旧グランドプリンスホテル赤坂旧館)の曳家工事の様子もビデオで紹介され、重量約5000tの建物が移動する映像に目を見張っていた。
 同事業は、旧李王家東京邸を保存しつつ、S・RC・SRC造地下2階地上36階建てのホテル・オフィス棟と、RC造地下2階地上21階建ての住宅棟あわせて総延べ22万7200㎡規模の複合施設を建設する。設計・監理は日建設計。外装デザインはコーン・ペダーセン・フォックス(米国)が担当。新築工事は昨年1月に着工、2016年5月ごろの竣工、同年夏の開業を予定している。

■親子ふれあい体験ツアー/重機乗車に大歓声/CCI神奈川

 神奈川県魅力ある建設事業推進協議会(CCI神奈川)は21日、「国道129号戸田交差点立体化等整備事業」などを巡る、建設ステーション親と子のふれあい体験ツアーを開いた。神奈川県建設業協会の応援や各現場スタッフらの協力のもと、小学生や中学生、保護者ら約60人が参加。気温35度に迫る猛暑の中でも、子どもたちは普段できない体験に興味津々で、建設重機の乗車体験などで大きな歓声をあげていた=写真。
 同ツアーは、日常の生活では見ることができない建設現場(建設ステーション)を親子で見学・体験し、県民の建設事業への理解と関心を深めることを目的に2003年から開催している。同日は朝9時に横浜駅に集合。バス2台に分乗し、午前は厚木市の「国道129号戸田交差点立体化等整備事業」、午後は川崎市多摩区の「五反田川放水路整備事業」の現場見学などを実施した。
 フジタJVが施工する「戸田交差点立体化等整備事業」は国道と県道22号が交差する同交差点の渋滞解消を目的に、現在国道側のアンダーパス化に向けた掘削工事が進む。進捗率は約45%で、16年度中の供用開始を目指している。
 今回、参加者が見学したのは掘削部分などで、施工を担当する松岡一則作業所長(フジタ)が工事概要を説明。その後、実際に掘削した地下に潜り、むき出しになったアスファルト道路の断面などを見学したほか、高さ約10mの高所作業者やバックホウなどの体験乗車を楽しんだ。続いて午後は清水JVが施工する「五反田川放水路整備事業」のシールド工事現場を見学。初めて見る巨大な土木構造物などを堪能した。
 見学を終えた子どもからは「工事の進み方が分かって勉強になる」「次回もツアーに参加したい」などの声が聞かれたほか、保護者からは「本当の現場を見ることができ、貴重な体験で楽しかった」とツアーを満喫した様子だった。

■土木学会新潟と日建連北陸が見学会/夏休みの小学生と保護者/未知の空間に興奮
稼働中の発電所内部を見て回る
土木学会関東支部新潟会と日本建設業連合会北陸支部は21日、夏休みの小学生とその保護者28人を対象とした施設見学会を開いた。稼働中の火力発電所や完成前の橋梁など普段は訪れることのない未知の空間に触れ、子どもだけでなく、連れ添う親も興味津々の様子だった。
 早朝から集合した参加者が最初に足を運んだのは、新潟市の信濃川浄水場。同施設のシンボルである高架配水塔(高さ53m、直径26m)などを見学しながら、水道水の作り方を学んだ。
 続いて、新潟県聖籠町の東北電力東新潟火力発電所に移動。所内に入る前に、東新潟発電所の中山一彦総務グループ課長らがPR館「はなます館」で火力発電の仕組みなどを説明した。同発電所ではLNG(液化天然ガス)を主燃料とする汽力、コンバインドサイクル両発電により総出力486万kWを確保。発電規模は国内2番目で、日本で最初に事業用大容量コンバインドサイクル発電を導入していると紹介した。また、DVDを使って、化石燃料が限りある資源であることを伝え、参加者はエネルギー資源と地球環境の大切さを再認識していた。
 その後、コンバインドサイクル発電を採用している4号系列の内部を見て回った。展示している実物のガスタービンを前に、子どもたちは矢継ぎ早に質問を投げ掛けていた。

完成前の橋梁を渡る
昼食後には、新潟県村上市で三井住友建設・本間組・渡辺組JVが施工している一般国道345号総合交付金(国道改築)旭橋上部工(その2)工事(新潟県発注)を案内した。橋体部は工事終盤を迎えていることから、供用前の橋梁(長さ505m)を歩いて見学。日本海を眺めながら、佐藤政俊工事所長(三井住友建設)らの話に熱心に耳を傾けていた。さらに、こういった催しでは珍しく、橋桁の内部にも立ち入った。
 最後に北陸地方整備局村上国道維持出張所の村上道路ステーションを訪れた。
 施設見学会は毎年開かれているもので、19日には新潟県長岡市にある妙見浄水場や大河津分水などを小学生とその保護者が訪れた。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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