2014/08/29

【記者座談会】尋常でない雨、自主的に土砂撤去する地元業者 広島土砂災害

A 8月20日未明の局地的な豪雨による広島土砂災害は多くの被害をもたらした。広島市内の当日の様子は?
B とにかく雨の降り方が尋常ではなかった。雷も夜通し鳴りやまなかったし、雨音で目が覚めるほど激しい雨だったのでいやな感じはあった。
C 広島県内は、花こう岩が風化してできた「まさ土」と呼ばれる土壌が広がっており、水を含むと崩れやすくもろい地盤となっており、まさに広島特有の土砂災害と言える。
(写真は懸命な救助・捜索活動が続く広島市安佐南区緑井地内。提供:中国地方整備局)


B 1999年6月29日に発生した大規模土砂災害をきっかけに、国土交通省中国地方整備局が計画した広島西部山系砂防事業が着々と進められていたし、広島県が2016年度までを計画期間とする「ひろしま砂防アクションプラン2014」を策定するなど、土砂災害対策を打ち出した矢先の出来事だったので残念でならない。
A 被災地では不明者の捜索や行政、企業の応急対策などが進んでいるようだが。
B 現在も警察、自衛隊、消防など約3000人規模で懸命な救助・捜索活動が続いている。中国整備局を始め、全国の地方整備局からの隊員を含むTEC-FORCE(テックフォース=緊急災害対策派遣隊)も24日現在104人を派遣し、被災状況の調査やポンプ車による排水作業などを進めている。その一方で、いまも被災地では断続的に雨が降り続いている。2次災害の危険性もあり、作業は難航しているようだ。
A 地元建設業者の動向は。
C 被災直後は、周辺の建設業者が自主的に土砂撤去に取り組んでいたそうだ。広島県建設工業協会も広島市や中国整備局出先事務所からの災害協定に基づく要請を受け、建設機械を投入し道路啓開や復旧、土砂撤去、河川復旧などにあたっている。いまは人命救助が最優先。本格的な復旧作業はもう少し先になりそうだ。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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