2014/08/25

【豪雨災害】各地整TEC-FORCE、協力企業が災害現場で懸命の作業

太田昭宏国土交通相は21日、土砂災害に見舞われた広島市安佐南区八木地区と安佐北区可部東地区を視察した。その後、中国地方整備局災害対策本部を設置している中区上八丁堀の広島合同庁舎を訪れ、TEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)隊員や職員を激励するとともに、2次災害への警戒を促した。広島市や同局出先事務所などからの要請を受けた企業が続々と被災地に入り、流出土砂の撤去などの復旧作業に当たった。出動した広島県建設工業協会の会員企業は20、21日の2日間で15社、延べ317人に上る。
 太田国交相はヘリコプター上空から被災状況を確認した後、八木3丁目地区と4丁目地区、可部東6丁目地区を視察した。消防や自衛隊、警察による行方不明者の捜索活動を見守り、被害の大きさを実感した。
 広島県庁で湯崎英彦知事と会談後、同局の災害対策室を訪れた。TEC-FORCEや職員の前で訓示した太田国交相は、日々の活動に敬意を表した後、「現地は甚大な被害を受けた。非情な雨によって今もなお行方不明の方が多くいる。まずは救命・救出に全力を挙げるという政府方針に従い、それを支え、推進する役割を担ってもらいたい」と要請した。2次災害への警戒を強める考えも示し、「今後も雨の予報がある。2次災害を起こさないことは救命・救出と同じくらい大切だ。自分の身を守ることに躊躇(ちゅうちょ)しないでもらいたい。無理をして2次災害に巻き込まれないよう活動に当たってほしい」と注意を促した。さらに「住民の皆さんの不安は相当なものがある。良い働きをしてもらいたい」と激励した。
 22日も被災地に雨が降り続けた。TEC-FORCEは正午現在、2次災害への警戒から作業を一時中断し、再開に備えている。北陸、中部、四国、九州の各整備局や国土政策技術研修所の応援のもと、河川班、道路班、砂防班などに分かれ、崩壊状況や被災状況の調査を進めている。
 災害発生後に出動した広島建協の会員企業は、バックホウやダンプトラック、排水ポンプ車・散水車などの機械を投入し、土砂撤去作業や砕石土砂撤去、陥没個所復旧、道路啓開作業、根谷川緊急災害復旧作業、堤防法面陥没個所シート張り応急・養生作業、道路清掃などの作業に従事している。
 20、21日に出動した会員企業は、肥海建設、高山、楠建、京栄建設、大歳組、錦建設、増岡組、栗本、NIPPO、鴻治組、廣濱建設、宮川興業、沼田建設、山陽工業、伏光組。

■広島建協、17社延べ330人が復旧従事/広域協定発動の可能性も

 全国建設業協会の近藤晴貞会長は、22日に開かれた国土交通省と業界団体との会談の場で、広島市の土砂災害における広島県建設工業協会の対応状況を、太田昭宏国交相に報告した。
 近藤会長によると、広島建協は災害発生後、直ちに対策本部を設置し、21日までに会員企業17社、延べ330人が復旧作業に従事したという。県や市から要請があれば、さらに増員して対応する方針だ。
 また、近藤会長は「必要があれば広域ブロック協定に基づき、中国ブロックの各建協にも応援を要請する」と述べた。


■テックフォース/福知山に第2陣/近畿整備局

16日から17日にかけて発生した集中豪雨による災害を受け、近畿地方整備局は22日、京都府福知山市に対してTEC-FORCE(テックフォース=緊急災害対策派遣隊)3班計16人を第2陣として派遣した。第1陣は18日に出発、任務を終えて22日夜に大阪市に戻った。福知山市と兵庫県に対しては、近畿地方整備局のほか、中部地整と北陸地整も同様にTEC-FORCEを派遣している。
 22日午前11時に大阪市中央区の大阪合同庁舎1号館で出発式を開いた=写真。森昌文近畿地方整備局長は派遣隊に対して「皆さんの到着を現地の方々は心待ちにしている。5日間にわたって暑い中での作業となるが、安全に気をつけ、健康に配慮して取り組んでほしい」とあいさつした。
 これに対し隊長を務める小山下英文企画部環境調整官は「日ごろの経験と技術を生かし、報告書をきっちりと手渡せるように作業したい」と決意を表明した。この後、隊員は車両に分乗し、職員の拍手に見送られながら出発した。
 同局は福知山市のほか、兵庫県丹波市にもTEC-FORCEを派遣している。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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