上下線合わせ9橋を架設する大規模な現場 |
主桁の施工には、架設ガーダーを使って1径間ごとにセグメントを架設するスパンバイスパン架設工法を採用(桶川第2高架橋の一部は固定支保工で架設)。1径間分のセグメントをガーダーを使って8日サイクルで架設し、その後を追い掛けてPC板の敷設、床版の打設、壁高欄の施工を順次行っていくため、「一般的な固定支保工は1径間に3カ月程度を要するが、この工法は1カ月弱に短縮でき、各作業も輻輳しない」(横尾所長)。
バタフライウェブにより接着面積が減り、作業性が向上 |
セグメント内部 |
三井住友建設の中積健一土木本部土木設計部次長は「21ブロックでは1径間の架設に12、13日サイクルを要するが、14ブロックに減ったことで8日サイクルとなり、架設工程の短縮を図れた。また、セグメントの製作数や運搬回数の低減が実現した」と話す。
現場には現在400人強が働いており、JV社員だけでも54人が従事。横尾所長は「職人の確保に苦労した」とし、「全線で工事が動いているときが一番きつかった。施工スピードが速いため、協力会社に早めに手配して来てもらった」と振り返る。
優秀な技能労働者の高齢化と減少が叫ばれる中、プレキャストセグメント工法は現場の省力化に大きく寄与する一方、中積次長は「バタフライウェブの製作はもちろんのこと、セグメント製作にも高い精度が求められるため、工場での集中管理が最も重要になる」と指摘する。
さらに「施工工程に合わせ、ほぼ同時進行で設計図面を作成したため、設計上の工程短縮に非常に苦労した」とし、「スパンごとに支間長が異なるため、セグメント長を微調整して対応した。このため、その上に載るPC板の長さも異なる。設計図面が間違っていたら現場が大変なことになるので、何回もクロスチェックを行った」と明かす。
東日本高速道路会社との設計の打ち合わせは通常月1回のペースだが、「(急速施工のため)当初は毎週打ち合わせをお願いし、物事を決めていった。その判断が可能な高い技術力を持つ東日本高速道路会社の協力があったからこそ、急速施工が実現できた」(中積次長)と強調する。
工期は2015年3月17日まで。横尾所長は「現場の社員や職長、職人とコミュニケーションをしっかり取りながら、より品質良く、最後まで安全に施工し、工期を確実に守る」と気を引き締める。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)
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