2014/08/04

【社員大工】職人不足を食い止める! セキスイハイムが育成を強化

積水化学工業の住宅カンパニーは、不足する大工職人の確保に向け、グループ施工会社の若手社員を「社員大工」として育成する展開を強める。2011年度から育成に乗り出し、これまでに受講中を含め17人を確保する東京セキスイハイム施工(埼玉県蓮田市)は、来春から年10人のペースで対象枠を拡大する。鬼塚政則社長は「全国的に大工不足が深刻化する中、東京で育て他のエリア(グループ会社)にも配置していく」との考えを明かす。

 受講者は11年に2人、12年に4人、13年に5人、14年に6人と着実に増えており、15年春採用からは10人規模に拡大する。高校や専門学校を卒業した新入社員に加え、社員の中からも希望者を募っている。東日本施工技術研修センター(同市)で半年間の基礎訓練や研修を学び、大工職人の見習いとして1年間の現場訓練を受ける。通常5年は必要とされる大工職人までの訓練を1年半で完了し、その後は社員大工として働く。
 首都圏を活動エリアに置く東京セキスイハイム施工では200人程度の大工職人を抱え、その平均年齢は59歳と高齢化し、近い将来には大工不足が表面化する状況。社員大工の拡大によって、高齢者の退職減を補う。鬼塚社長は「来春から年10人の受講生を継続して確保できるようになれば、自らの地元で働きたいと考えている社員大工も多いことから、当社以外のエリアに異動させることも可能になる」と考えている。
 セキスイハイムは大半を工場生産する工業化率の高い住宅だが、完成には大工や内装、クロスなどの職人が欠かせない。社員大工の取り組みは、西日本エリアでもスタートしており、グループを挙げて社員大工の育成に取り組む方針だ。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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