鴻池組は8月3日、兵庫県西宮市で施工中の名塩道路八幡トンネル工事の現場を開放し、名塩小学校高学年の生徒を招いた=写真。小学生と保護者ら94人が訪れ、トンネル工事の概要を学ぶとともに、その断面や重機の大きさなど、土木工事のスケールを体感した。
同工事は全長約10.6㎞の名塩道路のうち、八幡トンネルとトンネル坑口付近の切土工事を行うもの。発注者は近畿地方整備局兵庫国道事務所で、工事延長は288m。工期は2013年2月16日から14年12月31日まで。
NATMで施工する上下線2本のトンネルの間隔が、最も狭い部分でわずか87cmという超近接めがねトンネルとなるうえ、近くにマンションや中国自動車道といった構造物が存在し、工期の制約もあった。
これらを克服するため、コストダウンと短工期化が図れる無導坑工法を採用し、さらに下り線トンネルを先進坑として切羽の数m後方で早期閉合することで地山の緩みを抑制する方法を採っている。
また、掘削土中の大きな転石を破砕する放電破砕工法や、中硬岩切土掘削のためのエキセントリックリッパーを適用し、CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)も導入するなど、さまざまな先進技術を投入しているのも特徴だ。
トンネルの貫通は下り線が8月末、上り線が10月を予定し、現在の進捗率は約40%となっている。
当日は雨が降るあいにくの天候だったが、多くの見学者が切羽部分まで歩いて職員の説明を聞き、記念写真を撮るなど楽しんでいた。
山田浩幸所長は「近隣の方は普段から協力的だが、きょうは皆さんに工事内容などを理解していただく良い機会になった」と述べた。
■地盤工学会関東支部/設立10周年記念事業/小学生対象に「科学体験教室」
地盤工学会(東畑郁生会長)の関東支部は8月2日、東京都千代田区の日本大学理工学部駿河台校舎1号館で、同支部設立10周年記念事業として小学生向けの「科学体験教室」を開いた=写真。午前と午後の部で各60人ずつ、計120人が参加し、地盤の特徴などを学んだ。
会場では、光る泥団子づくりのコーナーほか、模型を使って雨で山が崩れる様子の実演、液状化の様子の実演など6テーマに分かれ、支部会員の専門家らが地盤の特徴などを説明した。土や岩石を触りながら地盤の強さなどを実感できるコーナーや容器に入った砂粒を箸でつり上げるコーナー、地盤安心マップを見ながら自分の家などの地盤の歴史を探れるコーナーなど、子どもたちは各コーナーを回りながら興味深げに体験型実験に参加していた。
■親子19人、免震の仕組み学ぶ/科学技術館、京葉銀で見学会/日建連
日本建設業連合会(中村満義会長)は、科学技術館サイエンス友の会会員の小学生とその親を対象にした「科学技術館」建設館と京葉銀行千葉みなと本部新築工事の見学会を開いた。9組19人の親子が参加し、建設館で免震の仕組みなどを学び、免震技術などを現場で実際に見て回った。
東京都千代田区の科学技術館建設館では、建設技術の基礎的な原理を学び、ワークショップなどに参加した。
千葉市内の京葉銀行千葉みなと本部新築工事(設計=日建設計、施工=竹中工務店)の現場では、竹中工務店東関東支店の志賀秀明副部長工事担当が「現場はなかなか見られない。じっくり見て、貴重な体験をしてほしい」とした上で、絵を交えながら液状化対策工事の内容や工事の進め方などを説明、同社の浜辺千佐子先進構造エンジニアリング本部免制振グループ課長が免震装置の構造などを説明した。
現場では、工事用エレベーターに乗った子どもたちから「すごい」と歓声が上がったほか、免振装置を興味深く見て、担当者に積極的に質問していた。
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