2014/09/17

【担い手確保】“金の卵”の採用ノウハウ共有へ 東京藤友会

新たな担い手(職人)確保に苦労している首都圏の専門工事業で、元請協力会組織を活用して、中学・高校卒の新規職人を入社させるための手続きやポイントを情報共有する動きが出始めた。既に、大手ゼネコンを中心に元請けが協力会に参加する専門工事業の担い手確保・育成支援に乗り出す、いわゆる下請け抱え込み強化に動いている。今回は、中堅ゼネコンの協力会企業が、それぞれの職種ごとに採用が難しくなっている新卒確保のために、情報共有するもので、人材確保競争への危機意識が首都圏で広がっていることを示した形だ。

 藤木工務店の首都圏協力会組織の「東京藤友会」(津田浩一会長)は13日、津田会長が社長を務める会社が行っている、都内中学校と工業高校の新卒者向けハローワーク提出書類、学校への訪問時のポイントなどについて説明した。工事の安全管理を主眼に会合を開いてきた東京藤友会が、新卒職人確保をテーマに会合を開いたのは初めて。藤木工務店からも出席した。
 具体的には、津田会長が自らの会社で中卒、高卒者を対象に提出した求人票を提示し、提出書類で重視される点などについて解説した。東京藤友会は昨年、藤木工務店の支援を受け人材確保のための取り組みを開始、協力会のホームページ開設や情報共有することを決めていた。今回の新卒採用の情報共有のための会合はその一環。
 ただ津田会長は、首都圏で他産業や同業他社と工業高校卒者の人材確保競争が激化していることを、「金の卵は集めるのも、ふ化させる(一人前の職人に育てる)ことも一苦労であることを自覚すべき」と訴えた。
 これまで中小専門工事業は、新卒や新人職人の確保は縁故採用がほとんど。ハローワークや学校訪問などを通じた採用のノウハウが乏しく、協力会組織強化のために新卒採用までの手続きや留意点などについて情報共有することにした。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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