現場状況を計測・スケッチ レーザー距離計とアプリで変わる働き方
ライカジオシステムズのDISTO + sketchアプリ
レーザー光点を当てた場所との距離が即座に分かるレーザー距離計。ライカジオシステムズからは、DISTOシリーズとして販売されている。
距離計だけでは、距離を測るだけでも、スマホやタブレットのアプリと連携させると、おもしろい使い方ができるようになる。
今回実測するのは、上記のような場所。今回はタブレットを使用して、現況を確認してみる。
まず、タブレットで同社の無料アプリ「Leica DISTO sketch」を立ち上げ、現況の写真を撮影する。
そして撮影したのが、この写真だ。
いまは、ただの写真だが、このあと現場メモに変身する。
アプリに戻り、
表示された写真の計測個所に、指でドラッグして線を引く。
アプリから、計測に使うレーザー距離計と、タブレットをBluetooth無線で接続。
接続すると、レーザー距離計で計測した値が、即座に画面左下に表示されるようになる。
計測は、床面に置いた距離計のボタンを押すだけだ。
画面左下に転送された計測数値を、指でドラッグすると、重ねた矢印に数値が入力される。
計測して作成した実測メモは、PDF形式で出力でき、メール添付で送信される。
添付されるPDFは、このような体裁になっている。
「数値入りの写真メモは、現場の状況を一目で伝えることができます」と、海野さんは説明する。
現場と事務所をつなぐコミュニケーションツールとして使えば、仕事が円滑に進むはずだ。
ちなみにアプリには、写真だけでなく、グリッド画面で壁や部屋の形を描く方法もある。
ライカの距離計の歴史
ライカジオシステムズのレーザー距離計の進化は、1995年にピタゴラスの定理を利用した測定法からスタートした。
離れたところから幅(高さ)を測定したい。という課題を克服しようと、開発された。
当時は、直角三角形の辺の長さは、a2=c2-b2 であらわされるという「ピタゴラスの定理」を利用した。
ただ、「測定者によって誤差が増減するために、現在ではあまり推奨していません」(海野さん)という。
2006年になって、距離計に傾斜センサーが内蔵されるようになった。本体の傾斜角が測れるので、上下2点を測定すれば、三角関数で高さを求めることができるようなった。
2014年には、距離計にデジタルカメラが内蔵されるようになる。距離計で撮影した写真のピクセルと、対象物の距離から、幅と面積、円柱の直径が測れるようになった。
昨年からは、3次元座標がとれるようになって、その座標から2点間の距離が算出できるようになった。測定場所もレーザーの計測範囲ならば制限がない。
これが、3次元座標が取得できる機種「S910」。三脚に載せて計測すれば、3次元座標が取得できる。
実際に屋外に出て、離れた建物の屋根の長さを計測した。
距離計には、このような画像が出て、正確な距離を測定できる。
この超高層ビルの計測にもチャレンジした。
ご覧のように、ビルの高層階でも測定できた。
記者も体験
ライカさんから、単純に距離だけを測定して、Bluetoothで送信できる「DISTO D110」をお借りして、
自社内で、計測にチャレンジした。
計測対象は、当社の応接室。このような部屋の図面を描いてみることにした。
使用するアプリは、ライカの製品ではないが、Bluetoothでの数値転送に対応している「MagicPlan」というアプリ。
部屋の壁距離と、イスなどの什器類の大きさと距離を測って、アプリに転送すると、
このような図面が、15分ほどで完成してしまった。
同社では、DistoをApple Watchにもつなげられるようにしたという。
Bluetoothに対応しているDISTOのモデルは、屋内向けのD110と屋外でも使えるD510,D810,S910。
また5月中旬には、D2というモデルも発売する。
建築途中の現場や、既存建物の現況調査に威力を発揮しそうな、レーザー距離計、一度お試ししてはいかがだろうか。
ライカジオシステムズさんの動画は、こちらにあります。
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