2013/01/23

【房総と防草】千葉県コンクリート製品協組が雑草防止する側溝を開発!

道路境界ブロックなどのコンクリート製品とアスファルト舗装の境目は、寒暖の差や道路の振動によるアスファルト舗装のはく離ですき間が生じる。そのすき間からは雑草が生え、美観や安全を損なうだけでなく、道路管理者にとっては除草費用がかかり悩みの種となっている。この問題を解決するため千葉県コンクリート製品協同組合(花澤長文理事長)が開発した雑草抑制型道路用コンクリート製品『ウェーブボウソウ』だ。アスファルト舗装との接合部に「ウェーブ条溝」(波状の溝)を持たせた。
 アスファルト舗装がウェーブ条溝に絡みつくことで、寒暖の差や振動が発生してもアスファルトがはく離することを極力抑えるつくりとなっている。
 仮にすき間が生じて雑草の種子が混入した場合でも、種子はウェーブ条溝にとどまるだけでなく、発芽しても条溝と、これに絡んだアスファルトによって根が下に伸びることを阻害する。さらに条溝には一定間隔ごとに節を付けてあり、根が長手方向に伸びることも抑制する。その結果、発芽しても生育が抑制されるため、晴天が続けば自然と枯れてしまう。
 また、アスファルト舗装の下にある種子が発芽した場合でも、舗装がウェーブ条溝に絡みついているため、地上には出てこられない。
 現在、実績をより積み上げていくため、需要が高い「千葉県型側溝」と「両エプロン付フラット型歩車道境界ブロック」の2商品に絞って展開している。将来的にはラインアップを増やしたい考えだ。
 開発のきっかけは、2009年8月、千葉県県土整備部から雑草が抑制できる技術製品を開発できないかと相談を受けたことだったという。同年内にはプロジェクトチームを設置して、開発を進め、10年7月には意匠登録。実証実験を繰り返した後の12年6月に販売を開始した。
 商品名は、「ウェーブ」が溝の形状と海に面する千葉の波を、「ボウソウ」が防草と房総をかけており、「この技術を千葉から波状のごとく広げていこう」(花澤理事長)との思いを表している。
 製品は、組合員のうち17社が製造しており、県内各地から供給することができるのも強みだ。市町村にも採用を働き掛けて県内で実績を増やすほか、「県外の企業であってもパートナーはいつでも求めている」(花澤理事長)と、県外にも採用を広げていく考えだ。
千葉県コンクリート製品協同組合 千葉市中央区富士見2-22-2。電話043-227-6843。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年1月23日5面

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