2013/02/22

【加賀屋】和倉温泉・加賀屋の女将が明かす「おもてなしの心の極意」


国際観光施設協会が、東京都千代田区のNSRIホールで新情報発信グループ第9回研究会を開き、日本一と評される和倉温泉加賀屋の女将・小田真弓さん=写真=を講師に迎え、おもてなしの心、極意を学んだ。日本文化に対する世界からの注目度や人材育成のあり方のほか、施設づくりのポイントとして、水回り、におい、掃除のしやすさ、換気を挙げた。
 加賀屋は、『プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選』で33年間総合1位を続ける総客室数232、収容人員1320人、従業員300人の巨大旅館。小田さんは「大きな旅館なりにお客様一人ひとりにきめ細かいサービスをするにはどうすればよいか、毎日勉強している」と、サービスの品質を落とさず、多くの人に満足してもらう難しさを語った。
 2010年には台湾にも旅館を開業し、日本のおもてなしの心を海外にも広めている。「欧州を始め、海外から声がかかることが増えている。日本のおもてなしや文化に興味をお持ちのよう。台湾でも浴衣をきれいに着せてあげると喜んでもらえる」と、相手と近い距離で提供するサービスが評価されていることを紹介した。
 施設を使う上で気になるのは掃除のしにくさだという。美しい状態を保てるよう、手入れしやすい設計を要望するとともに「掃除のしやすさと水回り、換気がポイント。部屋はお客様が入ってこそ生きるのだから、シンプルで機能性さえしっかりしていればいい」と述べた。
 また、客からのクレームの原因を、(1)自分の仕事を優先させた(2)いらないひと言を言った(3)相手の感性が理解できず自分の考えで行動した--が多いとし、「社員の教育は一人ずつ膝詰めで根気よくやらなければ、一人前にならない」と強調した。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年2月21日 12面

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