2014/11/27

【働きかた】現場勤務を糧に「個人の能力」伸ばしたい 高砂熱学工業 豊岡さん 吉田さん

女性技術者の活躍の場が広がりつつある中、高砂熱学工業が空調設備工事を担当している東京・赤坂の「紀尾井町プロジェクト」(赤坂プリンスホテル跡地開発)では、住宅棟の現場所長を務める入社7年目の豊岡真奈美さん=写真左=と、入社3年目の吉田英美さん=写真右=が現場での調整などに奮闘中だ。豊岡さんは「女性だから、ではなく、個人としての能力をみてほしい」と語る。吉田さんも「幅広い現場を経験しキャリアに生かしたい」と意欲を燃やす。

 豊岡さんは今回が初所長。東京都立工業高等専門学校卒後、5現場目で重責を担う。「入社から早い段階で、責任ある仕事を任されるのは設備工事のいいところ」と気負わず取り組んでいる。現場は躯体工事が進んでいる段階で、設備工事が本格化するのは来年2月以降となりそうだが「職人の手配や配管の設置に向けた準備など、施工前の調整は進めている」という。「人とかかわることは大事。職人さんとも世間話ができる間柄になっておくようにしている。自分一人では現場は動かない」と力を込める。
 女性の活躍にスポットが当たってきていることについて「仕事ができるかどうかに、性別は関係ない」ときっぱり。「以前から女性が働きやすい職場をつくってくれていた」と会社としての環境整備にも謝意を示しつつ、「個人の能力が平等に評価されることが大事」と強調する。「後輩に『豊岡さんを見て入職しました』と言われてみたい思いはある」とも。
 一方、吉田さんは千葉大大学院工学研究科修了。「将来は設計を担当したいが、それには現場を知っておきたい」と話す。入社して「自分たちの意見を尊重してくれている」と感じるという。
 今回の現場は2件目。前回は完成前に異動となっただけに「今回はぜひ完成に立ち会いたい」と目を輝かす。「将来は工場の現場なども担当してみたい。ほかの用途もすべて経験して今後に生かしたい」と、現場勤務を糧にしたい考えだ。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら

Related Posts:

  • 【働きかた】父の背中見て目指すは所長 鹿島東京建築支店・永野真美さん  「いずれは所長になりたい」。入社8年目で、すでに都内の大型建築現場を7件経験し、8件目は東京・有楽町の真ん中で進む現在の現場で、エントランスとなる中間階の内装を担当している。所長を目指して経験を積む日々だ。  建設業を志望する直接的なきっかけは、「大学時代に公的な助成プログラムの一環で、大きな小屋を造って、設計図作成や構造計算、木材の切り出しもやってみて、やっぱりものづくりは良いなと思った」ことだった。もともと「小さいころからものづ… Read More
  • 【ACEアワード】ハンデ持つ人のロールモデルに! 個人部門グランプリは渡邉美土里氏  「企業の成長に資する新たな障がい者雇用モデルの創出」をミッションに、大手企業28社が業種、業界を越えて連携する、企業アクセシビリティー・コンソーシアム(ACE、橋本孝之代表理事)の第4回ACEフォーラムが11月30日、東京・丸の内の明治安田生命ビルで開かれた。会員企業の中から「障害を活かした新たな価値の創造を実践している社員」を選出してもらうロールモデル表彰(ACEアワード)では、清水建設設計本部プレゼンテーションセンターの渡邉美土里さ… Read More
  • 【働きかた】誰にとっても働きやすい職場へ! 女性活躍へ技術者会議(日建協)、「ワールドカフェ」で意見交換(日建連) ■男性の育児参加が必要 休日の取りやすさや業務負担の分散が不可欠 日本建設産業職員労働組合協議会(日建協、田中宏幸議長)が9日、東京都荒川区のホテルラングウッドで開いた女性技術者会議では、男女の技術者が作業所の労働環境改善について討論した。男性の育児への協力が不可欠との認識に対して男性も同意しつつ、制度や雰囲気によって定時退社などが難しいとの課題が浮き彫りになった。  今回の会議では、「誰にとっても働きやすい建設産業を実現するために-『男… Read More
  • 【働きかた】バラエティー豊かな人材まとめ顧客に響く提案目指す TOTO特販本部・中島早希さん  TOTOに入社して勤続11年目のことし、2カ月にわたるディベロッパー向けマンション提案会のプロジェクトリーダーを任された。 プレッシャーもあったが、お客さまが思わず前のめりになるような提案ができた時には「疲れも吹き飛ぶ」と表情を和ませる。写真右から2人目が中島さん。提案会に携わった先輩や仲間 と  チーム内の上下関係は厳しくなく、メンバーが自分の担当領域の立場ではっきりと意見を言ってくる。とりまとめ役としての苦労も味わった。 世の中の… Read More
  • 【働きかた】周囲を巻き込み育児中のフルタイム勤務環境をつくる 大成建設四国支店・角崎由貴子さん  入社9年目。四国の土木現場を渡り歩いてきた。入社4年目で結婚・出産して1年間育休を取得した。いまも両親と暮らしながら、地元・香川県の工場土木の現場で働いている。  復帰1年目は、時短制度を活用して午前9時から午後4時まで勤務した。「午前7時半に保育所の門が開くと同時に娘を預けて急いで出勤。遅くても午後4時半には現場を出て6時までに保育所に迎えに行く」という生活だった。 復帰直後は早い時間に帰ることに心の葛藤があった。だが、「自分が全部を… Read More

0 コメント :

コメントを投稿