2013/02/05

【現場最前線】わずか2.5m隣に新幹線が走る! 東鉄工業の大規模改修

足場のすぐ隣が新幹線だ
東鉄工業が、横浜市港北区日吉で施工中のマンション大規模改修工事。工事内容は外壁補修や塗装直しといった一般的なものだが、建物の目の前を東海道新幹線が通過するという高度な安全管理が要求される現場だ。同社では、得意の鉄道工事で長年にわたり培ってきた安全面のノウハウを建築工事にも注ぎ込み、施工に当たっている。
 マンション管理会社は立地特性を踏まえ、安全最優先で改修できる施工者を探していた。建物本体は他社施工物件だが、鉄道関連工事の実績が豊富な東鉄工業に相談が持ち込まれ、特命受注に至った。
 6階建ての建物と新幹線の高架橋が最も近接する部分の距離は、わずか2.5m。施工に当たっては、東海旅客鉄道(JR東海)との事前協議が必要だった。
 日ごろから鉄道事業者とのやり取りにも慣れている東鉄工業では、通常より短い期間で協議を完了。当初、新幹線との近接部は夜間施工を予定していたが、昼間の作業が認められ、施工効率は格段によくなった。作業所の藤森祐五所長は、「住民や近隣の方々の負担を減らすことにつながる」と別のメリットも口にする。
 現場では、足場の組み立てや下地の調査が進行中。過去の事例や写真を交え、注意すべきポイントを明確にした『要注カード』などを活用しながら、「足場を組む際に、パイプが高圧線に触れるリスクなどを示し、作業員の安全意識を高めている」(藤森所長)という。
 鉄道近接案件では、安全対策を重要視する施主は多く、同社建築環境リニューアル部によると、「線路近くのマンション改修工事の引き合いは、ほかにも複数きている」(木村尚弘担当課長)と話す。列車の安定運行を守るという思いも込め、今後も実績に裏付けされた強みを生かし、受注活動を展開していく方針だ。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年2月5日 3面

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