2013/03/02

【読書】著者に聞く!鶴蒔靖夫さん 『合人社グループの挑戦』

マンション管理を主力とする「合人社グループ」は、広島に本社を置きながらも、全国に17万戸以上の管理受託戸数を保持している。本書は経営評論家の鶴蒔靖夫氏が、同グループを率いる創業者・福井滋氏に焦点をあて、その経営理念、ビジネス哲学を検証したものである。
 著者は「マンション管理のあり方を提起し、牽引する福井氏のビジネススタイルは実に興味深い。高品質・低価格を武器にマンション管理業界の高止まりを攻める彼の姿勢は、マンション管理に携わる人を始め、快適なマンションライフを求める多くの人にとって貴重な指針となる」という。

 合人社は、ディベロッパーを親会社に持たない独立系の管理会社でありながら、設立から約30年で業界トップクラスまで成長を遂げた。いま、マンション管理で培ったノウハウを生かして、さまざまなジャンルの公共施設開発・運営(PFI)事業をも手掛けている。
 2012年3月、独立系の管理会社・最大手の日本ハウズイングと提携した。提携関連会社をあわせて100万世帯のマンション管理を目指している。

◇著作は380冊

 鶴蒔氏が1984年7月2日にスタートした対談番組『こんにちは! 鶴蒔靖夫です』(ラジオ日本)は、昨年9月、通算7300回を超えた。毎週月曜日から金曜日の5日間、放送開始から29年、企業トップ、政治家、文化人などさまざまな業界の著名人と対話を重ねてきた。
 「対談の妙味は、互いの持てるものを、20分という限られた時間の中で出し尽くすことである。私が師事した故大宅壮一が言っていたように、まさに人間対人間の人格ゲームである。放送29年。この間、世界情勢、国内の社会状況も様変わりした。番組に登場いただいた方々の中には、既に亡くなった方もいる」
 これまで世に問うてきた著作は、幅広いジャンルで380冊以上に達する。

◇樺太生まれ

 鶴蒔氏は38年、樺太(現・ロシア・サハリン州)で生まれ、敗戦前、国民学校2年の時に、樺太から海を渡り北海道日本海側南部の上ノ国村(現・上ノ国町)に引き上げてきた。その後、中学、高校を経て、札幌の北海学園大学に進むも中退。北海タイムス在職時に、大宅壮一を知り、大宅壮一東京マスコミ塾生となり、活動の場を東京に移した。大宅が学生時代に創刊し、休刊していた『人物評論』を受け継ぎ、64年に復刊した。86年に再び休刊するまで、人物探求を編集方針とし、対談ホストに大宅、細川隆元、藤原弘達らを迎え、各界の人たちとの対談を中心に、時々の問題を提起し続けた。
 その対談スタイルは、著者のラジオ番組にいまも連綿として受け継がれている。

◇終わりがないのが経営

 第1章・マンションは「管理を買う」、第2章・業界トップクラスに成長した独立系管理会社-合人社計画研究所の事業概要-、第3章・入居者本位の管理サービスを提供、第4章・住民第一主義の企業理念と人材育成、第5章・創業者・福井滋の経営理念と哲学、第6章・合人社グループが描く未来への展望-からなる。「経営に頂上、頂点はない。いってみれば、トレッキングみたいなものです。出発点はありますが、目標や到達点はありません。ずっと続けるのが経営であり、そこに終わりはないのです」(福井氏)-。対談の妙手・鶴蒔氏が引き出した希代の経営者のノウハウは、異業種のものにとっても学ぶべきものが多い。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年2月27日 11面


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2 件のコメント :

  1. 合人社グループの挑戦に書いてあるような事から、マンションの管理を独立系管理会社-合人社計画研究所に十数年依頼していきました。残念ながらその管理実態は非常ひどく現在委託を断ることを検討しているところです.本著者は、もっと実態を調査いて本を書いてほしいものです。合人社グループの宣伝のために書いたのであればしょうがないと思いますが
    管理組合理事長

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  2. 顧客を舐め腐った経営姿勢なのに恥ずかしげもなくこの様な本を出版できる福井滋。
    終わりのない残債処理が待っているのでしょうね。

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