2013/03/19

【建築】建築教育を変革 隈研吾氏が東大院に新ラボ

サスティナブル・プロトタイピングラボについて
発表する隈氏
東京大学大学院建築学専攻は4月から、サスティナブルデザイン教育の充実に向けて「サスティナブル・プロトタイピングラボ」を立ち上げる。同専攻の隈研吾教授、小渕祐介特任准教授らが中心となって、「サスティナブルやエンジニアリングをまとめる新たな教育システムとしてスタートさせたい」(隈教授)考えだ。大学における建築教育は、少子化の影響などもあり志望学生が増えていない。「今後、東大の建築が教育に大きな役割を果たせると考えている」と隈教授は話している。
 同専攻では、英国・ロンドンのアーキテクチュラル・アソシエーション(AA)で共同ディレクターを務めた小渕准教授を中心に、2年前から「デジタル・ファブリケーションラボ」を立ち上げ、建築とエンジニアリングをつなぐ活動を展開してきた。
 今回、サスティナブル・ラボを立ち上げ、大学における建築教育を革新するもう一つの柱として展開していく。
 隈教授は「工学1号館4階に新たなスペースも確保した。長期支援を行うスポンサーもついている」と話す。
 サスティナブル・ラボは、隈研吾研究室、小渕祐介研究室、千葉学研究室が、素材、構造、歴史、環境という広範な研究課題について有機的に結び付ける役割を果たす。
 スポンサーには、小松精練(本社・石川県能美市、中山賢一代表取締役会長)が長期にわたり活動をサポートする。
 また、デジタル・ファブリケーションラボでは、ことし8月までに大林組の協力で学生のパビリオンを製作することが決まった。東大の協力要請に申し出たのは、鹿島、大成建設、大林組、清水建設、竹中工務店、長谷工コーポレーション、LIXIL、TOTO、パナソニック、乃村工藝社、岡村製作所の11社で、「ことしは一番早く申し出た大林組にお願いした」(隈教授)という。
 学生の4つの提案から、1つを選定して実際のパビリオンを建設する。来年も同じ取り組みを続ける考えだ。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年3月19日

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