2011/12/13

緑化計画にコンピューティショナル・デザイン導入/アンズスタジオの竹中司代表

アンズスタジオの竹中司代表
 環境をカタチにするコンピュテーションの力--。アンズスタジオの竹中司代表は、コンピューターで関係性を解き、新しい建築の姿を創出する取り組みを進めている。
 設計の電子化は、CADが広く普及させている。竹中氏は「手仕事を超えたコンピューターならではの仕事がコンピューテーショナル・デザインとなる」とし、一つひとつをCADで描くのではなく、さまざまな要素に従ってコンピューターにモデル生成させる。単に複雑でデザイン性の高いものを追求するだけでなく、環境につながるデザインの取り組みを進めるのが竹中氏の特徴だ。
 千代田区神保町のオフィスビルでは風と光の動きを表現する「木漏れ日空間のデザイン」を実現した。森の中の葉っぱから落ちてくる光の量をパラメーター化し、ファサードに落とし込んだ。風によってファサードが動く仕組みと合わせ、都市に森林のリズムを取り込んでいる。
 また、ソニーシティ大崎(東京都品川区)のランドスケープ計画は、都市にある自然を感じられる森をテーマに掲げた。そこで採用した「種まきプログラム」は、植物の根を守る道と、根によって壊されない道のデザインをコンピューターを使って最適化した。
 「30年間の木の成長を見守りながら、設計段階で3次元の情報を組み合わせ4次元的にシミュレーションした」と、最適な木の配置によって本物の森に近い空間を創出した。竹中氏は「コンピューターの枠を超えて、思考の流れをデザインする。その手法を発信したい」と、さらに新しい建築デザインの創出に挑む。

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