2011/12/06

「孤立集落はつくらない」/新潟・福島豪雨被災の二本木橋復旧へ

 7月の新潟・福島豪雨で被災した国道252号二本木橋の応急復旧工事が急ピッチで進められている。北陸地方整備局が直轄権限代行事業として実施するもので、降雪前までに仮橋を建設する。施工を担当する前田建設工業では、阿賀野川水系阿賀川・只見川の急流と地形上の厳しい制約の中、大型土のうと補強土壁を組み合わせた盛土工法などを取り入れ、工期の短縮に努めている。
 福島県会津地方の交通の要衝である国道252号に架かる二本木橋は、7月の豪雨による洪水で落橋。現在のう回路は道幅がせまく除雪車の通行が困難で降雪時には使用できなくなるため、一部集落が孤立する恐れがあり、地元から早期復旧が求められていた。
 このため、同県の要請を受けた国土交通省では、二本木橋を含む道路関連施設の災害復旧を直轄権限代行として同局で実施することとした。
仮橋の概要は長さ約67m、幅6m。東日本大震災で活用された応急組立橋は地形的な制約があって適用できず、メタルプレートガーダー橋とした。下部工ではダウンザボール工法を採用し、強固な橋台、橋脚などを造り上げた=写真。12月に入ると同時に上部工に着手。現在の進捗率は60%を超えている。
 施工に当たっている前田建設工業の佐々木祥次現場代理人は「降雪による孤立集落の発生は絶対に避けなければならない」とした上で「厳しい作業の中、無事故・無災害を目指し、安全管理にも尽力している。仮橋の早期開通を望む地域住民の思いに応えることがわれわれの使命だと感じている」と話している。
 本橋については現在、測量・設計の段階で、橋長や構造形式などを検討している。今後の用地買収などの進捗にもよるが、2012年度早々の着工を予定している。工事場所は金山町二本木-横田地内。

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