2011/12/28

被災3県が要件緩和要望/「復旧・復興施工確保連絡協」初会合

 国土交通省は27日、仙台市内で「復旧・復興事業の施工確保に関する連絡協議会」の初会合を開き=写真、被災自治体および建設関係団体から東日本大震災の復旧・復興工事における入札不調の実態や、技能者・技術者の不足状況などをヒアリングした。また、岩手と宮城、福島の3県が共通要望として、▽技術者の専任を必要とする建設工事の要件緩和▽実勢価格を即時に反映できる労務費調査制度の設定――の2項目を求めた。同省は今後、月1回程度の会合を開き、具体的な対応策を検討していく。
 この日の初会合には国交、厚生労働、農林水産3省の本省および出先機関、岩手と宮城、福島3県および仙台市、建設業界6団体から約50人が出席した。
 冒頭、国交省の佐々木基官房建設流通政策審議官があいさつに立ち「東日本大震災は未曾有の災害だけに、これまでなかった課題の噴出が予想される。すでに不調・不落の増加や技能者・技術者の不足、労務費の上昇が起きている」と指摘した上で、「こうした課題を解決するには、いままでのやり方にとらわれない方法も必要だ。全国的に復興を支援していくという考えのもとで対策を講じていきたい」と語った。
 議事では、被災自治体と東北地方整備局から入札不調の発生状況、業界団体からは現況についてそれぞれ報告があった。このうち、入札不調は多少のバラツキはあるものの、総じて9月以降、不調発生率が上昇しており、工事規模が小さいほど発生率が高い傾向にある。特に不調発生率が高いのは、宮城県と仙台市の土木一式工事。宮城県は10、11月とも約4割が不調、仙台市は6月以降6カ月連続で3割を超えており、9月は5割まで達した。
 一方、業界団体は一部職種の労務単価が震災前に比べて3-4割上昇していることを報告したほか、技能者・技術者不足を補う観点から隣県の建設企業と時限的にJVが編成できる制度の構築などを求めた。

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