2011/12/05

JR貨物 八王子駅南口開発に疑義/活性化の視点から協力困難/黒須市長

 日本貨物鉄道(JR貨物)が八王子駅南口の所有地で実施する開発整備で、同社が事業者に選定した医療法人社団を代表者とするグループが病院施設と保健福祉施設で構成する施設を計画していることに対し、東京都八王子市の黒須隆一市長は、中心市街地の活性化の観点から施設用途に疑問を呈し、市として事業に協力することは難しいとの考えを示した。
 定例会見で黒須市長は、すでに完成した南口の再開発事業などは、にぎわいを創出するために実施してきたものであると説明。今回の事業も同様に足並みをそろえて中心市街地の活性化に取り組む必要があると強調し、「意にそぐわない計画については協力は難しい」と発言した。
 市は以前から市街地の活性化を重要課題に掲げ、シネマコンプレックス(複合映画館)などを例に商業施設の誘致を求めていたが、同社は10月に事業提案型・総合評価方式の一般競争入札で、介護老人保健施設や医療施設などを運営する葵会(東京都千代田区)を代表者とするグループを事業者に選定した。
 JR貨物が市に対して説明した計画施設の内容は病院施設と保健福祉施設からなる複合施設となっている。同市市街地整備課は、これまでの要望と異なる土地利用であるため、具体的な施設計画の内容を把握するとともに、JR貨物に対して「引き続き地域の活性化に資する商業施設の整備を要請していく」としている。

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