2011/12/05

被災地での職人、技術者不足が切実/全国建設青年会議

 11月28日、東京都港区の明治記念館で開かれた全国建設青年会議。「建設業のこれから」をテーマにしたパネルディスカッションのパネリストとして出席した舩山克也東北建設業青年会会長は、東日本大震災の被災地・宮城県で阿部和工務店を経営する立場から「震災から8カ月経った今、がれきの(一次仮置き場への)集積作業がほぼ終わり、沿岸部では職人不足が切実になり、元請けの技術者不足も顕在化している。職人は、一度離れたら帰ってこない。また新規雇用しても一人前になるには何年もかかる」と、復旧最前線の現状を報告した。
 宮城県が復旧期3年・再生期4年・発展期3年の10年にわたる震災復興計画をまとめる中で、特に問題視しているのは、「市場の単価はどんどん上がっているのに、そのスピードに役所の単価が追いつかず、制度としてのスライド条項もあるが、対象になりにくい」というコストアップの懸念。「昨年調査の単価でことし発注されても価格が合わず、やればやるだけ赤字になるから、入札辞退する業者も出ている。その辞退した工事を、大手・中堅が受注しに来る。これでは被災した地域の活力がそがれる」と警鐘を鳴らす。
 コーディネーターの藤井聡京大大学院教授に、「連携という手立てが考えられないか」と問われて、「青年会の仲間と話しているのは、監理技術者や専任技術者が足りなくなっているので、秋田県や山形県など大きな被災をまぬがれた隣接県の地元企業とのJVを組めないかということだ。その連携が可能なら、隣県から技術者を提供してもらい、施工管理は地元の実情に熟知しているわれわれがやる。元下請関係でなく、JVで連携することができれば」と提案した。

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