2011/12/07

隈研吾氏が設計する「スターバックス」/福岡の太宰府に出現!

 建築家の隈研吾氏の設計によるコーヒーチェーン店「スターバックスコーヒー」が、福岡県の太宰府天満宮の表参道に完成した。16日からオープンする。木造平屋建てで、内部空間はXの形で組まれた60mm角のスギ材が約2000本使われた=写真。
 スターバックスコーヒージャパンによると、木組み構造がモチーフで、太宰府天満宮のシンボルの梅が庭に植えられるなど、これまでのスターバックスにはない新しいデザインの店舗だという。世界的に見て、建築家とコラボレーションしたスターバックスの建物は珍しい。
 隈氏は、「太宰府という歴史ある土地に対して、現代的とも言える新たな木組みを参道に面して露出させることにより、歴史的な街における新しい建築のあり方を試みた」と述べている。太宰府の参道の伝統的な街並みと最新の木造技術を調和させる挑戦的な建築となった。
 間口7・5m、奥行き約40mの細長い敷地で、ここに奥行き33m、天井高さ4・5mの木造平屋を建築した。内部空間を覆い尽くすXの形に組まれた木組みは、60mm角のスギ材が総延長で4390mにもなる。角材は1・3-4mのものを約2000本使った。木組みは、木造の軸組に沿わせるように、天井、壁、床に接合することで、空間に対して筋交いの役割を果たす。
 天井から壁にかけて徐々にレイヤーを増すように木組みを構成、空間に厚みと奥行きを持たせると同時に構造的にもさらに強いものにしている。

Related Posts:

  • 【続報!】白亜の寺院「新宿瑠璃光院白蓮華堂」 設計の竹山氏に聞く 1階部分が極端にくびれ、2階部分から大きく膨らんだ形状、ホワイトコンクリート打ち放しの外壁、不規則に並んだ小さな窓。東京・新宿駅に隣接するオフィス街の一角に、独特のデザインが目を引く寺院「新宿瑠璃光院白蓮華堂」が完成した。【執筆者から:奇抜なデザインに目が向きがちですが、ディティールへのこだわりゆえか新宿のビル群のなかに屹立する様子は周囲のまちなみにとけ込んでいます。近寄るほどに細部へのこだわりに気づかされる印象的な建築でした】 … Read More
  • 【山嵜一也の書を読み海を渡れ(19)】都市に内在する時間という癖を読み解く キングクロス駅地上コンコース ロンドン中心部、テムズ川南岸部その名もサウスバンク。この街の発展は著しい。その口火を切ったのがミレニアム事業の一つであるテートモダン。レンガ造りの煙突がシンボリックな旧火力発電所を現代美術館へと改修した。エネルギーを生み出す場所から文化を生み出す場所へ。この街では古さと新しさの意外な組み合わせが建築と都市空間の化学反応を引き起こす。 英国の産業を支え、役目を終えた他の発電所も改修されている。ロンドン東部のワッピ… Read More
  • 【書を読み海を渡れ(最終回)】再び、海を渡るということ 日本へ帰ることに決めた。楽しみと同時に不安も大きい。それは日本をソトから見たいという思いだけで海を渡った12年前の気持ちと似ている。 このコラムを連載していた2年間は英国で暮らす日本人の僕にとって大きな出来事があった。東日本大震災とロンドンオリンピック。 連載開始直後に起きた震災。ディスプレーからのインターネット情報でしかわからない痛み。ふと見上げると、周りには普段と変わらぬ職場の風景。今までにない疎外感を味わった。しかし、世界中から集まった… Read More
  • 【BIM】常識疑う「NBF大崎ビル」 日建設計の山梨氏に聞く 北東側に設けられた簾のようなルーバーは雨水を利用してヒートアイランド現象を抑制する「バイオスキン」の技術を使用。周辺環境への配慮も含めた高い環境性能を確保したことに審査員も賞賛 1949年の設置以来、時代を画した数多くの優れた建築を表彰してきた日本建築学会賞作品部門。今回は日建設計の革新的なオフィスビル『NBF大崎ビル(旧ソニーシティ大崎)』、ゼネコン単独の設計としては約50年ぶりとなる竹中工務店の『明治安田生命新東陽町ビル』、篠原聡子氏… Read More
  • 【伊東豊雄】プリツカー賞受賞の伊東氏にインタビュー 伊東豊雄氏が、“建築界のノーベル賞"と称される国際的な建築賞「プリツカー賞」を受賞した。伊東氏は日本建築学会賞作品賞(シルバーハット、せんだいメディアテーク)、毎日芸術賞(八代市立博物館)、芸術選奨文部大臣賞(大館樹海ドーム)、日本芸術院賞(同)、高松宮殿下記念世界文化賞、王立英国建築家協会(RIBA)ロイヤルゴールドメダル、ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展金獅子賞(日本館)など、国内外から高い評価を得ているわが国を代表する建築家の一人。米… Read More

0 コメント :

コメントを投稿