都市再生機構西日本支社と京都女子大学が進めてきた洛西ニュータウン団地リノベーションプロジェクト(京都市西京区)として、住戸のリノベーション(計8戸)と階段室の美化が完成した。13日に報道関係者に公開した。両者は4月から取り組みを本格化し、京都女子大家政学部生活造形学科の井上えり子准教授と同学科の学生たちが若い女性の視点から団地を見直した。2014年1月25日から2月2日に内覧を行い、3月からの入居開始を予定している。
洛西境谷東団地4戸と洛西竹の里団地4戸の計8戸をリノベーションするとともに、学生と居住者がワークショップ形式で階段室の美化(メーターボックス扉の塗装)に取り組んだ。境谷東団地は1978年に、竹の里団地は83年に管理を始めた。
リノベーションの設計は、学内で設計コンペを開いた。19作品の応募があり、都市再生機構西日本支社の大西誠支社長やプロジェクトチームの5人、京都女子大学の川本重雄学長と井上准教授の計8人で審査し、7月に8作品を選んだ。決定後は、毎週金曜日を洛西の日として学生たちが集まり、施工プラン調整に当たった。
曲線の土間が室内を貫く大胆な設計が特徴の住戸「らしく、くらす。」(境谷東団地)は、学長賞を受賞した。趣味を暮らしの中心にできる空間づくりを目指した。設計した学生の上条祐里菜さんは「居住者が自分らしく住める設計とし、愛着を持って住んでもらえるように考えた」と話す。アウトドアを趣味とする独身男性の一人暮らしをイメージし、趣味の自転車を部屋の中で手入れできるように設計した。
リビングとプレールームを青い腰壁が区切る「視える、魅せる、見つける」(竹の里団地)は、小さい子どものいる家族を想定、空間を分けながらも互いの様子が分かる最適な腰壁を工夫した。男性にも女性にも好まれる設計を目指した。
井上准教授は「学生たちは授業で設計をするが、予算を立てたり、実際に施工に携わるのは初めての経験。都市再生機構には貴重な機会を提供してもらった。居住者も巻き込んで一緒に階段室のペンキを塗ることもできた。居住者のコミュニケーションが活性化する一助になれば嬉しい」とコメントした。今回は授業の一環ではなく、学生の有志が自らの意志で参加した。
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