2013/12/06

【建築】厳かながらくつろげる 荻津郁夫事務所の「世界救世教横浜研修センター」

世界救世教いづのめ教団が横浜市港北区篠原町に建設を進めてきた世界救世教横浜研修センターが完成した。設計を担当した荻津郁夫建築設計事務所の荻津郁夫代表は、敷地条件を生かし、優しい光に包まれ、厳かな場所でありながら、わが家のようにくつろげる雰囲気を兼ね備えた空間をつくりあげている。

 建設地は、高層ビルの立ち並ぶ新横浜駅の至近に残された閑静な住宅地。この環境になじませながら、シンプルな2階部分が浮かび上がるように外観に象徴性をもたせ、「駅篠原口からのアプローチを受け止めるプロムナードと、日の出の方向を意識した軸線を持つ東正面の建物をL字型に配置した」とデザイン的な融合を心掛けた。
 プロムナードに沿った水盤の波紋を見ながら建物の内部に入り、入り口の吹き抜け空間から内参道を抜けると参拝室の広がりにたどり着く。「参拝者が歩みを進めるごとに厳かな気持ちになれるように空間を構成した」と言う。拝殿内には柔らかな光が降り注ぐ。光の反射と拡散に気を使い、参拝者が優しい光に包まれるような空間を生み出した。
 一方、2階は教団の家族的な雰囲気を反映し、わが家のような空間に仕上げた。「もう一度、訪れたくなる場所」になるように、くつろげる和のテイストを盛り込んだ。
 建物の象徴性や周囲の緑と連続するシンボルツリーの配置など教団の理解もあり、建物は「都市的にも貢献できたと思う」と振り返る。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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