「トキワ荘」復元に向けた検討がスタートした。東京都豊島区は、有識者らによる(仮称)「マンガの聖地としまミュージアム整備検討会議」の初会合を8日に開き、座長には漫画家の里中満智子さんが就任した。手塚治虫ら著名な漫画家が住んだアパートを復元するとともに、漫画とアニメをつなげる展示機能を持つ拠点施設として、2020年の東京五輪開催までに整備する。月1回ペースで検討を重ね、17年1月に施設整備など基本計画素案、3月には基本計画案を策定する。早ければ年明けにも基本・実施設計の委託も想定している。
高野之夫区長は「トキワ荘復元は区が進める『国際アート・カルチャー都市』としての存在感を高めるもの。東京五輪開催時に多くの外国人観光客が来日する中で『マンガの聖地としま』を広く世界にPRできる」とあいさつした。里中座長は「本当に尊敬すべき先輩たちがいたトキワ荘。ファン代表として一生懸命、トキワ荘の魂を形にすべく努力したい」と述べた。
検討会議は、学識経験者やトキワ荘関係者、としま南長崎トキワ荘協働プロジェクト協議会など関係者30人で構成。漫画家の居室再現や展示内容、トキワ荘の外観など再現範囲といった設計・建築、管理・運営方法などを検討する。基本計画策定業務は、丹青社が担当している。
としまミュージアムは、ときわ荘跡地から300mほどの区立南長崎花咲公園(南長崎3-9-22)約2200㎡内に建設する。S造2階建て延べ約420㎡の規模で、トキワ荘を実物大で復元させる。17年度末まで基本・実施設計を進める予定。工事は、18年度に着工し、外構を含めて工期約15カ月を見込む。19年12月に竣工し、展示調整や準備期間を経て、20年3月のオープンを目指している。
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