2011/12/15

高田松原の「希望の松」クローン技術で後継樹育成に成功/住友林業ら

順調な生育を見せる「希望の松」
 住友林業と住友林業緑化が、東日本大震災の津波被害を受けた岩手県陸前高田市の高田松原で1本だけ残った「希望の松」の後継樹育成に成功した。希望の松そのものは長時間の浸水で枯死が避けられないが、この松から採取した枝を基に接ぎ木によるクローン増殖の苗と種子からの実生苗(みしょうなえ)が順調に生育している=写真。
 陸前高田市の応援要請で、日本造園建設業協会岩手県支部が中心になって、プロジェクトチームが結成され、住友林業が後継樹育成チームの中心となった。同社が筑波研究所で取り組んできた枯死の危険があった桜の組織増殖などが評価された。接ぎ木苗と実生苗は今後、同社で育成し、復興計画が決まれば移植されることになりそうだ。同社は、「将来、陸前高田市の復興のシンボルツリーになれば」としている。
 陸前高田市では、市の復興計画案で海とも共生する「海浜新都市の創造」を掲げている。奇跡の一本松にの存在も基本理念に取り入れているため、今後のまちづくりにおいても今回のクローン種苗が担う役割は大きい。

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