※写真はイメージです(photo:欅) |
提言はまた、パーソナル空調など、個人による環境調節の度合いを高めることも心理的に快適性を改善する手法であるほか、「我慢=省エネ」という直感的な対策に陥らないようにBEMS(ビル・エネルギー・マネジメント・システム)などを活用して定量的に効果を把握しながら対策を進めるべきだとしている。
同学会では「省エネ対策として業務用建物はセ氏28度設定が推奨されているが、無対策で室温緩和を行うとエネルギー消費量は削減できても、居住者に我慢を強いることになり、本来のオフィスの目的である居住者の知的生産性が低下してしまう。また、必ずしも期待されたエネルギー削減効果が得られないこともある」とし「空気調和・衛生工学会は、この状況には大きな問題があると認識している」という。
このため、「我慢を強いる省エネによって本来のオフィスの目的である居住者の知的生産性が低下してしまうことを防ぐ必要がある」ことや、「快適性を保ちながら省エネルギーオフィスを実現することが可能である」ことを提言、「学術的な根拠資料を報告書としてまとめた」(温熱環境委員会)。
例えば、28度設定オフィスの実測研究によると、28度を超える場所や時間帯が生じ、執務者の不満足率が約8割と高かったことや、コールセンターの実測研究では空気温度が25度から28度に上昇すると約6%作業効率が低下することが報告されていることから、「人件費はエネルギー費の約100-200倍で、室内環境の悪化による知的生産性の低下による経済的損失は大きい」(委員会)と指摘している。
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