2012/12/06

【笹子トンネル】丸ごと抜けたボルトも確認 国交省検討委が現地調査

山梨県の中央自動車道上り線の笹子トンネル崩落事故で、有識者で構成される国土交通省の調査・検討委員会は4日、事故現場で調査を行い、天井板のつり金具を最上部で支える「アンカーボルト」の状況などを確認した。
 東京都立大(現首都大学東京)名誉教授の今田徹委員長は、報道陣に対し「ボルトは丸ごと抜けていたものも、残っているものもあった。こんな大規模な崩壊が起こるとは考えたことがなかった。調査には時間がかかる」などと説明した。
 今田委員長や国交省によると、調査は午後3時ごろから約1時間かけて実施された。リフトを使ってボルトが抜け落ちたり残ったりしている場所のほか、落下して破損したものを確認した。ボルトはさまざまな形に変形していたという。
 その後、初会合を開き、中日本高速道路会社から、事故の経緯や過去の点検状況について説明を受けた。
 今後の調査の方針に関しても話し合いが行われ、原因究明のため、破損したボルトの分析や、ボルトの引き抜き試験を行うべきだとの意見が委員らから出されたという。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!) 2012年12月6日2面

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