2012/12/04

【天井板崩落】アンカーボルトが脱落 中日本高速は管内4ヵ所緊急点検

中日本高速の会見
中日本高速道路会社は3日、中央自動車道上り線の笹子トンネル天井板崩落事故について、名古屋市の本社で記者会見し=写真、崩落の原因については調査中としつつも「現場から天井のつり金具を取り付けるCT鋼のアンカーボルトが抜け落ちた個所がある」とした。また、同日から同トンネルを含むつり天井式の管内トンネル4カ所の緊急点検に着手した。
 同社によると、2日午前8時ごろ、笹子トンネル上り線の大月市側出入口から約1.7㎞地点で、コンクリート製の天井板が約110mにわたり崩落した。同トンネル(山梨県大月市~甲州市)上下線は、1977年12月20日に開通。全長は約4784m。
 崩落した天井板は厚さ約8cm、幅約1.2m、長さ約5mのプレキャストコンクリート(PC)板で、トンネル天井から長さ約5.3mのつり金具でつられている。つり金具の間を壁で隔て、左右を送・排気ダクトとする横流換気方式を採っている。
 つり金具はCT鋼を使ってトンネルに取り付けられ、直径16mm、長さ23cmのアンカーボルトでトンネル天井のコンクリートに13cmの深さまではめ込まれる設計になっている。今回の事故では、天井板がつり金具ごと落下しており、天井上部にアンカーボルトが抜け落ちた跡があることから、同社は、経年劣化でボルトに不具合が生じて崩落した可能性が高いとみて調査を進めている。
 同社によると、これまでの検査で、つり金具と天井板の結合部分をハンマーでたたく打音検査をしていたが、つり金具とトンネル最上部の結合部分は「(天井板から)高さが5m以上あり、双眼鏡と懐中電灯による目視点検しかしていなかった」という。
 同社は、同トンネル上下線に加え、同じつり天井板を設置している中央道恵那山トンネル(全長8.5㎞)、東名高速道路都夫良野トンネル(同1.7㎞)、新東名高速道路富士川トンネル(同4.5㎞)についても、つり金具とトンネル最上部の結合部分の打音検査などを行う緊急調査に着手している。
 高速道路施設の経年劣化は、全国的な問題となっており、中日本、東日本、西日本の高速道路3社は、11月7日に「高速道路資産の長期保全及び更新のあり方に関する技術検討委員会」(委員長・藤野陽三東大大学院工学系研究科教授)を発足。3社が管理する高速道路の大規模な修繕といった老朽化対策について検討を始めたばかりだった。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2012年12月4日2面

Related Posts:

  • 【アルジェリア】人質事件受け、現地の鹿島JVが夜間の外出を禁止 アルジェリアで起きた人質事件を踏まえ、現地で高速道路の施工を進めている鹿島・大成建設・西松建設・ハザマ・伊藤忠商事JVも安全対策を強化している。施工区域は、事件があった南部に比べて危険性は低いとされているものの、事件発生後は不要不急の外出や夜間の外出を禁止した。現地に滞在している日本人は現在、鹿島単体で47人、JVで約90人、協力会社やコンサルタントなどを含めると200人弱に及ぶ。 鹿島は、「外務省による危険情報をベースとした安全対策を導入し… Read More
  • 【笹子トンネル】国の調査委が「コンクリ問題なし」と断定 笹子トンネル概要(国交省資料より) 国土交通省は1日、中央自動車道笹子トンネル上り線の天井板崩落事故の原因究明・再発防止を検討している「トンネル天井板の落下事故に関する調査・検討委員会」(委員長・今田徹東京都立大名誉教授工学博士)の第3回会合を開き、笹子トンネル天井板など点検結果を示した。今田委員長は、試験結果を踏まえ「コンクリートについては問題がないという判断が、いまの時点で得られた。ほかに原因が考えられるのは、アンカーや構造の問題になる… Read More
  • 【笹子トンネル】丸ごと抜けたボルトも確認 国交省検討委が現地調査 山梨県の中央自動車道上り線の笹子トンネル崩落事故で、有識者で構成される国土交通省の調査・検討委員会は4日、事故現場で調査を行い、天井板のつり金具を最上部で支える「アンカーボルト」の状況などを確認した。 東京都立大(現首都大学東京)名誉教授の今田徹委員長は、報道陣に対し「ボルトは丸ごと抜けていたものも、残っているものもあった。こんな大規模な崩壊が起こるとは考えたことがなかった。調査には時間がかかる」などと説明した。 今田委員長や国交省によると、… Read More
  • 【笹子トンネル】地方管理分でも同じ構造が12カ所 国交省調べ 笹子トンネルの天井構造(作者:Marine-Blue) 国土交通省は5日、中央自動車道上り線笹子トンネルの天井板落下事故を受け、都道府県など地方管理分の同構造のトンネルの調査結果を公表した。都道府県管理が5カ所、政令市が1カ所、地方道路公社が6カ所の合計12カ所となった。今後、各道路管理者が、国が高速道路会社などに指示したものと同様の緊急点検を実施する。既に点検を実施済みのトンネルもあり、今後、点検するトンネルは8件となる。 今後緊急点検を… Read More
  • 【高力ボルト問題】4種類を大臣認定/申請1日でスピード決着/市場への影響考慮 神鋼ボルトが製造する高力ボルト(通称・ハイテンションボルト)が国土交通大臣認定に適合しないことが判明、ゼネコン各社が対応に迫られていた問題が、異例のスピード決着を迎えた。  国土交通省は1月31日、問題があったボルトのうち、近年、受注・生産のあった4種類の高力ボルトについて、現在の製造条件をもとに審査し、大臣認定したことを発表した。これにより現在、施工現場で使用されている神鋼ボルトの高力ボルトの使用は認められる。  神戸製鋼所100%子会社の… Read More

0 コメント :

コメントを投稿