東北地方整備局は、災害時に危険個所の応急復旧作業などで使用する遠隔操作式バックホウの民間オペレーター育成に向けて、操作講習会を実施している。
遠隔操作式バックホウは離れた場所からラジコン(無線操縦装置)で操作できるため、2次災害の恐れがある土砂災害の復旧作業などで活用されている。東北地方でも2008年6月に発生した岩手・宮城内陸地震で使われ、有効性が確認された。
一方で、その操縦には特殊な操作技能と熟練を要するため、実際の現場で使いこなせるオペレーターが少ないのが実情だ。
同整備局ではこうした状況を踏まえ、迅速に対応できるオペレーターを育成するため、災害協定を締結している東北建設業協会連合会の会員企業社員を対象とした操作講習会を10年度から行っている。
これまで講習会1回当たりの参加者は10数人としていたが、今回の講習会から長時間の操作訓練ができるよう、少人数に絞って開催することにした。
9日に宮城県多賀城市の東北技術事務所構内で開かれた講習会=写真=には、山形県の渋谷建設(山形市)と國井建設(寒河江市)に勤務するオペレーター各2人の計4人が参加し、ラジコンを使った走行・掘削操作やグラップルソー操作、災害現場対処訓練などを実施した。
15年以上のオペレーター経験を持つ渋谷建設の庄司博自動車部課長は「向かい合わせになると、バックホウの動きが左右逆になることもあり、操作が難しい」とした上で「慣れれば、危険個所での作業効率が格段に良くなると思う」と話していた。
同事務所構内では今後、2月中旬までに他県のオペレーターの講習会も行われる予定だ。
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