2014/01/27

【木造】応急仮設住宅 「地縄張り」から「建て方」まで講習

全国木造建設事業協会神奈川県協会(山田一元会長)は23日、神奈川県横須賀市の神明第二公園で応急仮設木造住宅「施工技術等講習会」を開いた。参加者24人が6班に分かれ、実際に地縄張りや杭芯出しから、建て方作業(垂木まで)を実施し、作業手順やポイントなどを学んだ。当日は神奈川県や横須賀市などの行政機関や設計団体、地元住民など100人を超える関係者が集まり、作業の状況を見学していた。


みごとに完成した
冒頭、神奈川県県土整備部建築住宅部の庄司博之住宅計画課長は、県内で懸念される地震の被害想定から20-30万戸の仮設住宅が必要となる可能性を示し、「東日本大震災では地元の大工や工務店がつくる応急仮設住宅の評判がよく、県として協定を締結した」と経緯を説明。今回の実践的訓練の実施は「協定のパートナーとして心強く思う。講習が成功することを願っている」と期待を寄せた。
 このあと開催自治体の横須賀市から都市部公共建築課の宮本英郎課長、神奈川県議会の山本俊昭議員と安川有里議員、神奈川県住宅供給公社の●(竹冠に部)健夫専務理事、神奈川県建築安全協会の長田喜樹会長があいさつし、震災に備えた積極的な取り組みをたたえた。このほか、川崎市や逗子市、寒川町の職員なども実技の視察に訪れていた。
 今回の訓練は、全国木造建設事業協会と神奈川県が2013年9月5日に締結した「災害時における木造応急仮設住宅の建設に関する協定」に基づき開催した。同日は午前中に、くりはま花の公園プール2階集会室で災害協定の意義や応急仮設住宅の概要や施工手順などを学んだ上で、午後から神明第2公園に会場を移し、実技に入った。実技では模擬朝礼の後、地縄張り、芯杭出し、杭打ち作業、杭頭切り工事、土台敷き作業、位置決め、固定、足場(脚立)設置、建て方作業(垂木まで)を実施した。
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