2014/01/28

【愛知】端麗で高度な造形 「はだか祭り」の国府宮儺追殿が竣工祭


 「国府宮はだか祭」の神事を執り行う儺追(なおい)殿の建て替え=写真=が完成し、25日に大野紀明愛知県稲沢市長ら来賓、工事関係者約40人が参席して竣工祭を開いた。完成した建物は、伝統木造構法による新築建物としては国内最大級。真反り(総反り)・捻れ軒・茅負(かやおい)反り出しという端麗で高度な造形を最先端の木造技術を駆使して創出した。
 また施工面では、加工製作と仮組みによる精度管理を3工場で分担、翌年の祭事までの約11カ月の超短工期で完成させた。また、金物補強に依存しない継手・仕口の改良、柱梁壁構成における知見を集大成し、限界耐力計算による耐震化を実現。伝統的な木造の美を追究しながら、建築としての耐久性と設備性能、耐震性を現代の建築基準法の下で可能とした画期的な成果として注目されている。


祝詞を上げる山脇宮司
竣工祭では発注者の尾張大國霊神社(おわりおおくにたまじんじゃ)の山脇敏夫宮司が祝詞(のりと)を奏上したあと、神職、大野紀明稲沢市長、支援組織の代表者、設計者の木内修代表、施工の波岡滋清水建設常務執行役員支店長が玉ぐしをささげ、工事の無事竣工に感謝するとともに、建物の長久の活用を祈念した。
 神事の後あいさつした山脇宮司は「昨年の着工奉告祭を昨日のように思い出す。純木造の建築が、わずかの期間で本当に可能なのか少なからず危ぐしたが、期待どおりに完成した。設計者と施工に当たった優秀なスタッフの努力に感謝する」。大野市長は「はだか祭りは清風を招き、草木が芽吹く春を迎える前の一大行事だ。工事を見事に成し遂げた匠の技をたたえたい。地元稲沢を見守り、発展を支えるよう期待する」とあいさつした。
 さらに木内代表も「すべてにおいてハードルの高い仕事となった。本事業は、伝統美の先鋭化を図り、既存建物との調和、動線計画と使い勝手に考慮する、伝統構法で耐震性・耐久性に優れた建物にする、という3点を目指してきた。日本古来の建築が、堂々と継承され、力強く生きていく環境が整備されるよう、今後とも努力する」。最後に波岡支店長が「材料の調達、手戻りのない仕事に配慮して、工期どおり無事完成した。地域の思いが一体となり、本日を迎えたことに感謝したい」と述べた。
 建物の規模は木造平屋建てで延べ床面積は598㎡(回廊部を含む)。昨年3月に着工し、1年足らずの工期で引き渡しに至った。高耐久性コンクリートの基礎底盤に花崗岩の礎石を直接埋め込み、水平力を礎石の中央に半球形のほぞを設け拘束。柱間には耐力板壁を設け、ダボ(木片)で接合し、地震時のズレと全体の変形を抑止する。耐震設計上は、水平構面を設け、限界耐力計算に対応するよう建物を一質点とする架構体とするなど、数々の実践的、工学的成果を盛り込んだ。総事業費は約13億円。はだか祭後の3月から同神社では、本殿改修に入る予定。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)


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