2014/01/21

【復興版】300万トンのがれき処理完了! 石巻ブロックで火納め式

役割を終えた焼却炉
18日に火納め式が開かれた石巻ブロック(石巻市、東松島市、女川町)では、宮城県全体のほぼ半分に及ぶ膨大な災害廃棄物が発生。同処理業務を受託した鹿島・清水建設・西松建設・佐藤工業・飛島建設・竹中土木・若築建設・橋本店・遠藤興業JVは、2年以内という限られた期間で処理するため、破砕・分別を中心とするAと、焼却を行うBの2つのヤードに分けて中間処理施設を早期に建設した。

 業務着手後、放射能問題の影響で予定されていた広域処理が遅滞するなど、さまざまな困難を乗り越え、約300万tに及ぶ災害廃棄物・津波堆積物を処理。このうち焼却実績は2012年5月から14年1月までの21カ月で約56万tに上った。
 火納め式には、若生正博副知事、井上信治環境副大臣、亀山紘石巻市長らのほか、田代民治鹿島代表取締役副社長執行役員を始めとする受託事業者の関係者ら約300人が出席。若生副知事は、広域処理の受入機関や受託事業者らに謝意を示しつつ、この日を「災害廃棄物の処理に一つの区切りを迎え、復旧から復興への出発点となる象徴的な日」と位置付けた。井上副大臣も「石巻ブロックから災害廃棄物がなくなり、復興の新しいステージを迎える節目の日になる」と語った。

火を落とすボタンを押した
受託事業者を代表してあいさつした田代副社長は「火入れ式に出席した時は、未知の事業をどう進めるのか不安もあったが、何とかしたいとの一心で取り組んできた。焼却炉の処理能力をフルに使い、予定どおり納めることができてほっとしている。ここで培った技術が今後の迅速な対応や環境面に役立つこと
に期待する」と率直な思いを述べ、節目の式典を締めくくった。
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