「風景を生け捕る」「大きさのわからない家」など、これまで著者が設計した住宅の特徴をわかりやすい200の言葉(コピー)、短い文章、写真、イラストで紹介する。住宅は、こんなに楽しく、感動するものなのだと思わせてくれる。文章は簡潔だが、かなり練られている。とにかく特徴がすぐわかる。併記の英語はすべて自身の訳という「大作」でもある。
「住まいを感じる心」。それは、人が意識をするしないにかかわらず、住宅から受けるさまざまな影響のことである。人間の五感や想像力というのは、空間の質によってこんなにも違ってくるものなのかと、この本を読んで改めて気づかされる。タイトルにもなっている「居心地よさ」は、機能面にプラスして、この空間の質、すなわち「住まいを感じる心」が大きくかかわってくる。だから編集者が考えてくれたこのタイトルがとても気に入っていると述べる。
対象にしたのは著者設計の住宅39軒。言葉やテーマで39軒をばらばらの切り口で語る。住宅を設計する時に大切にしてきた「自然とつなげる」「景色の設計」「奥行きをつくる」「あそびごころ」など9つのテーマにまとめ、200の言葉で切り取っている。
人生の半分以上を過ごす家。「どんな住まいで暮らすかによってその人の自然観や社会観、性格や嗜好、考えることまで変わってくるような気がします」。そう著者は指摘している。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)
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