2014/01/24

【復興版】建コン協が50周年記念に土木人の記録 徳山整備局長インタビューも

くしの歯作戦のイメージ
建設コンサルタンツ協会(大島一哉会長)は、設立50周年記念事業の一環として、東日本大震災の発災直後に官民の土木人がどのような思いで、どのように行動したかを収録したインタビュー集「東日本大震災『命の道』を切り開く 3.11最前線の初動 13人の証言」を刊行した。協会の理事でもある角田光男東京都市大講師・共同通信社企画委員が、東北地方整備局や岩手県釜石市の担当者、建設コンサルタント、建設業者など13人にインタビューした。

 トップバッターは徳山日出男東北整備局長(当時)で、地震直後に指示した際の手書きメモも取り上げ、初動期の考えや行動を紹介している。徳山局長は、関東整備局にいた20代の終わりに防災を担当し、道路啓開を研究。「将来、自分が大災害に直面したときには、その『啓開モード』から発令しなければいけない」と思っていたという。「くしの歯作戦」は、約30年前から心の準備ができていたため、スムーズに実行できたわけだ。
 復建技術コンサルタントの遠藤敏雄社長は、震災当日の深夜に東北整備局から、早朝6時に国道4号の土砂崩れ現場に来てほしいと要請を受けた。高速道路は不通のため、注意しながら一般道路を走らなければいけないが、「土砂崩れの状況や橋梁などが被災後も走れるかどうかを緊急点検するために、12日の朝からみんな、ぱぁっと出て行きました」と翌朝からすぐに対処した様子を語る。
 大島会長は9日の新年賀詞交歓会で、50周年記念誌ととともに今回の発刊をもって、「50周年の記念事業が無事に終了した」と宣言した。
 本は非売品だが、希望者には原価の1000円(送料別)で頒布している。申し込みは協会インフラストラクチャー研究所・電話03-3239-7992。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)


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