2014/01/06

【職人】われわれが育てる! 作業員向け「亀戸寮」を小黒組が完成

鉄筋工事業の小黒組(本社・東京都江東区、千代田則雄社長)は2013年12月27日、江東区内に作業員向けの「亀戸寮」を完成させた。リーマン・ショック後から激減している作業員を確保・育成するため、31室の個室を備えた寮を整備し、専門工事の担い手を増やしていきたい考えだ。

 同区亀戸5丁目に完成した亀戸寮の規模は、木造3階建て延べ約440㎡。個室にはエアコン、テレビ、ベッド、冷蔵庫などが完備され、食堂も併設されている。
 同社の内山聖代表取締役会長は、今回の寮の完成について「都内には職人が入居できる施設が非常に少ない。われわれは、職人の収入、社会保険、教育などの周辺環境を整備し、専門工事業に入ってくる人材を増やし、育てていく」と話す。
 専門工事業を取り巻く状況は依然厳しいが、千代田社長は「これまで作業員の収入は低く、保障も少ないために、人手集めが難しかった。安く入居できる亀戸寮を整備して、作業員が安心して仕事をできる環境をつくりたかった」という。
 13年度に入って適正賃金水準確保、社会保険未加入対策、標準見積書の使用など、専門工事業界の状況は改善の兆しが見え始めた。同社はこれらの潮目の変化に対応して、今後は千葉、埼玉、神奈川にも同様の施設を順次整備していくという。
 同社は、13日に設立60周年を迎える。同社の社員は現在約100人、作業員は500人を超える。4月からは4人の新入社員を加えた5人の直傭作業員チームを組織する予定だ。
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