2011/09/05

UIA東京大会で建築団体が続々シンポ開催

 25日に開幕するUIA東京大会2011に合わせ、建築系の団体が企画するシンポジウムがめじろ押しだ。日事連と東事協を始め、士会連合会、東京士会などが著名人を招いた気合いのシンポジウムを計画している。鈴木博之東大教授、栗生明氏、丹下憲孝丹下都市建築設計事務所代表、イタリア・ボローニャ大学のマリステラ・カッシアート教授などの生の講演を聴くことができる。CPD単位の対象となっているものもあるので、9月の最終週は、ぜひUIA世界大会へ出かけてみてはどうだろう。
 日本建築士事務所協会連合会(三栖邦博会長)と東京都建築士事務所協会(大内達史会長)が開くシンポジウムは、東京都との共催で、28日午後1時から東京都新宿区の東京都庁舎議会棟1階都民ホールで開く。
 鈴木博之東大名誉教授による基調講演「東京の建築-高機能都市から複合文化都市へ」を始め、栗生明千葉大大学院教授をコーディネーターに、東京建築賞4部門の最優秀賞受賞者の澤崎宏、中本俊也、宮本聡子、野生司義光の4氏と鈴木名誉教授によるシンポジウムも行われる。
 また丹下憲孝丹下都市建築設計事務所代表が都庁舎を巡りながら設計意図をレクチャーしてくれる催しも予定されている。
 三栖会長は、「基調講演を受け、東京における建築の寿命や継承、東日本大震災を受けて都市や建築はどう変わっていくべきかなどを受賞作品を通して語ってもらう。また、現在の都庁舎は1つの時代の象徴としてできた。時代の転換点を迎えているいま、それを再考するのは重要なこと」と話している。
シンポジウムの詳細はこちら。

・士会連合会
 また日本建築士会連合会は27日に、東京都千代田区の東京国際フォーラム・ホールCで「地域に根ざした建築士からの提言と実践」をテーマにシンポジウムを開く。地域住民を支援するコミュニティ・アーキテクトが備えるべき資質や、その能力を発揮できる業務環境を、講演、パネルディスカッションを通じて明らかにする。
 イタリア・ボローニャ大学のマリステラ・カッシアート教授が「ネオリアリストの視点から見たヨーロッパの建築家」をテーマに基調講演する。また、神戸市、京都祇園南地区、山形県金山町のまちづくり、再生のほか、土佐派の家づくり、オランダのコミュニティー形成などの事例を紹介する。参加は無料。定員1000人。開始は午後1時。問い合わせは、同連合会事務局・電話03-6436-1401。

・東京士会
 東京建築士会(三井所清典会長)は、「東京を創る-Realizing Tokyo after 3・11」を開く。26、27、28日の3日間、同会メンバー31グループによる模型展示と連続シンポジウムを通し、東日本大震災を教訓に震災にいかに向き合うべきかなどを考える。会場は東京都千代田区の東京国際フォーラムガラス棟。
 連続シンポジウムは、26日に「before 3・11 政治と都市・建築・建築士」、27日に「around 3・11 経済と都市・建築・建築士」、28日に「after 3・11 ○○と都市・建築・建築士」をテーマに行う。都市の成立、建築の成立、そして成立における建築士の役割の過去・現在・未来を見通していく。参加は無料。先着100人。問い合わせは、東京建築士会・電話03-3536-7711。
士会のイベント詳細はこちら。

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