2011/09/15

直径40センチの柱でジャンボ機10機分が支えられる!/大成建設が世界初の300N級コンクリートを実用化

現場に設置された柱
 大成建設が、世界初で初めて圧縮強度1平方mm当たり300ニュートン(N)級のコンクリートを実用化した。東京都千代田区の複合ビルの柱に、この超高強度コンクリートでつくった柱を取り付けた。
 一般的なRC造の建物に使われるのは、だいたい18Nくらいのコンクリートが使われるが、今回のコンクリートは約16倍の強度を持っている。このコンクリートがどのくらい堅いかというと、直径40cmのほっそりとした円柱1本で、燃料や乗客を乗せたジャンボジェット機10機分にも相当する3600tの荷重を支えることができる。
 これだけ強いコンクリートを使うのは、柱をスリム化して、開放的な空間がつくれたり、構造の安全性も高めることができるからだ。
 このコンクリートは、「大成スーパーコンクリート」と呼ばれ、特殊な結合材、200度の高温養生方法、耐火対策などの技術を組み合わせて開発された。特殊結合材には体積の4割以上に産業副産物を使い、環境にも優しい。良好な流動性などの施工性、耐久性、耐火性に優れている。
 使われた建物は、大成建設、ヒューリック、安田不動産、昭栄、有楽土地の5社が出資する駿河台開発特定目的会社が建設する『御茶ノ水ソラシティ』。6月から同社の千葉PC工場で製造し、現場への取り付け工事を始めた。
 大成建設建築本部の松井達彦技術部長は「いままでに150Nまでのコンクリートを1600m3以上も施工してきた。今回、300N級を世界で初めて実物件に適用でき、これからも安全・安心、環境に配慮した技術の開発に取り組んでいきたい」と意気込みを話している。
 『御茶ノ水ソラシティ』は、設計施工が大成建設、工事監理を久米設計が担当。規模はS・SRC造地下2階地上23階建て塔屋2層延べ10万2137㎡。2013年3月の竣工を予定している。

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