財政健全化路線の野田氏が首相になったことで 公共事業削減圧力は、より高まるのか? |
B 菅内閣は昨年の6月8日に発足した。地球温暖化対策基本法案やTPP(環太平洋連携協定)などいろいろな話題は振りまいたけど、何をやったかと言われると正直、あまりピンとこない。参議院選挙で負けて「ねじれ国会」が再び発生し、身動きが取れなくなったという印象だ。
C 公共事業については、参院選のマニフェストから「コンクリートから人へ」の言葉を消して、削減傾向への歯止めに少し期待したけど、結局、2011年度予算ではマイナス5%になった。野田新首相は財政健全化路線だから、公共事業削減圧力が高まりかねない。
B でも、野田新首相とかかわったことがある国交省幹部は、「話はよく聞いてくれる人だ」と評価していて、「現状をよく説明して、理解してもらうしかない」と言っていたから、絶望という状況でもないみたいだ。
C 公共事業削減は、日本の財政状況を考えると、やむを得ない面はあるが、真に必要な公共事業は選択と集中によって進めるべきだ。そのことは東日本大震災を経験して十分実感しているだろう。
D 確かに必要な公共事業は実施すべきだが、業界が何よりも望んでいるのは、景気浮揚による民需回復なのだから、そのための政策をスピード感を持って推し進めることを新内閣には期待したいね。
A 民需回復か。その点はどうかな。
B 昨年末、菅政権は法人税率5%引き下げを決断、実行されれば国内企業の国際競争力強化に向けた第一歩を踏み出したと評価されただろう。しかし、震災によって棚上げされた。産業界は、法人税引き下げやいまの「超円高」など、外国企業との公平なビジネス環境を阻害するいわゆる『六重苦』の解消対策の実行を新政権に求めている。実行されないと、確実に国内産業の空洞化が進む。
C 中小企業団体も、12年度での法人税率5%引き下げを求めている。取引先の4分の1が海外になっている状況下では、中小企業自身の海外移転が現実味を帯び、実際に海外展開支援が中小企業政策の柱の一つになっている。
D 国内の産業立地競争力強化は、新政権でも引き続き重要政策の一つになる。この政策の取り組みは、結果として建設産業の需要拡大にもつながるものだ。
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