2011/09/14

デンマークに巨大タコ出現!?

 タコの滑り台、デンマークに出現――。首都・コペンハーゲン市に整備されている大規模公園内に、日本ではなじみの深いタコの滑り台が設置された。左官工事業の西谷工業(東京都中央区)と望月工業(東京都新宿区)の2社から左官職人3人が5月にコペンハーゲン市に赴き、タコの滑り台(縦6m×横10m)を現地の作業員と製作した。日本の伝統工法の「左官」が、デンマークで注目されている。
 コペンハーゲン市が公園の整備を計画する中で、設計を担当する設計事務所が、インターネットで日本の「タコの滑り台」を知り、前田環境美術(東京都渋谷区)に問い合わせ、西谷工業と望月工業が共同して製作することになったという。
 望月健史望月工業社長によると、「鉄筋をタコの形に組み、8分割してデンマークに送り、現地で配置し、溶接した。クレーンもいつ来るか分からない状況で、手作業で運んだ」そうだ。オブザーバーとして3人で行ったのだが、「職人は信頼できるのか、何度も連絡して確認したが、危ういので鏝(こて)や材料も送った」という。
 「現地の左官工が塗る約束だったが、来たのは理容師やレンガ職人らで、砂も10~15mmの砂利が混ざっていた。“ふるい”もないので、現地にあるもので作った」と話す。
 足場も1週間後に届く始末で、ハシゴを掛けて作業した。届いた足場も、日本では1800mmだが、2m以上あり、使いづらいものだった。
 日本とデンマークの職人が造り上げた「タコの滑り台」。日本では赤だが、デンマークは黒で、コペンハーゲン市民の注目を集めているという。
 日本古来の左官は、工期短縮、コスト低減から乾式工法に取って代わられ、市場も縮小している。また、賃金の低下や技能の習得に時間を要することから若年者の入職減、職人の高齢化など業界として多くの課題を抱えている。そうした中、「タコの滑り台」だけでなく、海外でも左官の技法が注目されている。

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