2011/09/02

福島第一原発海側遮水壁の基本設計固まる/海上・陸上の並行施工で工期短縮

福島第一原子力発電所の仮設防潮堤
(東京電力提供)
 東京電力は福島第一原子力発電所1-4号機の既設護岸前面に設置する遮水壁の基本設計をまとめた。鋼管矢板を全長約800mにわたり、地下22~23mの難透水層まで打ち込む。作業船による海上施工と陸上機械による桟橋施工を並行実施し、工期短縮を図る。全体工期は準備工を含め2年余を想定。2012年1月ごろをめどに完了することが目標の収束工程「ステップ2」期間内に着工する。
 鋼管矢板の基本仕様は管径1000mm、管厚14-22mm、管長22~23m。建屋周りの難透水層と同程度の遮水性、30年の耐久性、十分な耐震性を確保する。
 遮水壁の設置工事は港内側と港外側に分けて進める。主に1-3号機前面は海上施工、4号機前面は桟橋施工を採用する計画だ。
 既設護岸と遮水壁の間は埋め立てる。そこには地下水ドレンを設置し、地下水位を平均潮位以下に保つことで、地下水が海洋に漏洩しないよう管理する。
 基本設計に当たっては、水理地質構造や建物をモデル化し、三次元の浸透流・流跡線解析を行った。その結果、建屋底面に配置した複数の粒子は地下水ドレンにすべて補足され、遮水壁の内側から海洋へは流出しないことを確認したという。

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