日本建築家協会(JIA)関東甲信越支部(上浪寛支部長)と同保存問題委員会(左知子委員長)、同神奈川地域会(青木恵美子代表)は22日、林文子横浜市長に「横浜市における歴史的建造物に関する要望書」を提出した。要望では市内で歴史的建造物の解体が相次ぐ中、保存活用・再生に向けて新たなビジョンの構築や具体的な実施計画の策定を求めた。
同市内では、「市認定歴史的建造物」であった横浜松坂屋本館や日本ビクター第一工場などが所有者や事業者などから認定解除申請が出され、貴重な歴史的資産が解体されるケースが相次いでいる。
要望書では、横浜らしい都市空間の喪失を危惧(きぐ)。ことし8月に解体された戦前期のオフィスビル『本町ビル』の解体を機に、市に対して、「歴史的建造物の保存・再生を巨視的な観点から推進する、都市計画・文化財・観光振興などを横断する総合的なビジョンおよびその具体的な実施計画の策定」を求めた。
あわせて市民に対しても、施策の実現への理解と支援、建築そのものを文化的・歴史的・景観的な価値で評価するように要望し、関東甲信越支部なども施策実現のために協力するとしている。
2011/09/30
JIA神奈川らが歴史的建造物の保存・再生を林横浜市長に要望
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