2011/09/16

コンピュテイショナル・デザインと木材の融合/被災地向けのシェルターをAAST国際ワークショップで製作

 デジタルデザインと木造技術を融合した建築を目指すワークショップが、5-10日の6日間、東京都江東区の木材会館で行われた。これは「AAST国際ワークショップ」というもので、コンピューターでパラメトリックに設計した部材をレーザーカッターで切り出し、実際の建築に組み上げる。初回はイタリアで開かれ、2回目が日本で開かれた。
 ワークショップには、海外を含む10大学から建築学科の学生24人が参加。「被災地用シェルター」をテーマに、デジタルファブリケーション技術を使って短期間で材料の切り出しから組み立てまで行った。
 陣頭指揮をとった池田靖史慶大大学院教授は「コンピューターが画面の中だけでなく実際の建築につながり、世の中の役に立てるかが大きなテーマ」と、コンピューターを使った建築技術の革新に意欲をみせる。
 参加者は4チームに分かれ、デジタルデータをそのまま使って6mm厚のベニヤ板をさまざまな形に加工し、組み立てた。一定のルールを決めておけば、コンピューター上である程度の完成形を描くだけで部材ができあがる。
 砂山氏と建築家の廣瀬大祐氏が担当した作品は、釘やネジをまったく使わず、相欠きによってパネルをつなぎ合わせ、ドーム状のシェルターとなる。
 チューターの長友大輔氏は「被災地ですぐに組み立てられるように配慮し、ジョイントは結束バンドを使っている」と話す。
 池田教授は「すぐに建築にはならないが、木とコンピューターを組み合わせれば、新しい可能性が見えてくる」と、デジタルファブリケーション技術の向上に期待を込める。

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