愛媛県と愛知県などの入札指名通知書に最低制限価格が記載されていたという、考えられないミスが連続して明らかになった。これは、愛媛県の工事入札と物品入札、愛知県と県内市町村(名古屋市、安城市は除く)、名古屋高速道路公社など関係団体の工事入札で発生した。
愛媛県の入札システムは2007年から、愛知県などのシステムは2006年から運用していた。愛媛県のシステムはNECが、愛知県などが共同利用している「あいち電子調達共同システム」の工事調達部分は富士通がそれぞれ開発した。
あいち電子調達共同システムを通じて送信される指名通知書等のファイルを、入札参加者がパソコン等に一旦保存して、改めて通知書画面を開くと、通知書とともに最低制限価格や調査基準価格が閲覧できてしまう。
最低制限価格は、発注者が決める非公表の数値で、言い換えればその価格で入札すれば簡単に落札できる。
このミスは、通知書に対してパソコン上に保存したブックマークなどからアクセスすると、サーバがページを生成するときに、誤って内部だけで使うはずのXMLデータを吐き出してしまうのが原因のようだ。
愛知の共同システムでは、これまで5万2567件(県2万3537件、市町村2万9030件)の入札が行われてきた。このうち8192件(県736件、市町村7456件)が不具合状態にあったといい、不具合案件のうち、最低制限価格と落札額が同額だったものは75件(県11件、市町村64件)にのぼっている。
5年間にもわたって、このような重大な不具合に気付かなかったことにも驚きを隠せないが、愛知県の場合は「通常の使い方をしていれば見えなかった」(愛知県)という。12日に愛媛県でミスが明らかになり、あらためて点検し発覚した。
ほかの県などのシステムでも発生する可能性については、カスタマイズ部分なので起こる可能性は低いと話している。
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受注者の受け取る通知書例 |
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囲われた部分が制限価格のXMLデータ |
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