大林組は地震時の液状化による道路の変状を抑える道路補強技術「タフロード工法」を開発した。液状化の発生は許容するが、道路の機能を確保することで工事費を低減する。これまでの最も安価な液状化対策技術よりもさらに、コストを3-5割抑えるとともに工期を短縮する。工事中の騒音や振動など周辺環境に与える影響も抑制する。石炭火力発電所で生じるクリンカアッシュや製鉄所の高炉で発生する水砕スラグなどの副産物も有効利用できる。民間企業や道路管理者に対して積極的に提案する。
タフロード工法は道路直下に軽量土を使い、周辺地盤との重量バランスをとると同時に、路床全体に高分子材料でできた土木用ネット型シートを敷き、全体を一体化して補強する。道路の極端な沈下や隆起、段差の発生を防ぐ。性能設計の考えにもとづき、液状化の発生は許容するが、道路の機能は確保する。
対策をしていない場合、舗装した道路は周辺に比べて重量が大きいため、液状化すると重量差によって道路直下の地盤が周辺方向に移動し、道路に変状が生じる課題があった。
一方で液状化する地盤の一部や全部を置き換えたり、砂杭を造成し、地盤の密度を増大させるなどの既存の液状化対策工法は地盤の掘削に手間や時間がかかり、対策費が高くなる傾向があった。
大規模な地震の頻発を受けて臨海部に立地する事業所では、事業継続性の面から構内道路を補強する需要が高まっているという。道路を補強することで、被災後も消防車両など緊急車両の通行を確保する。
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